ふりがな(松村)
今日の新聞に文藝春秋社の広告があって、そこに『たとへば君 四十年の恋歌』が載っていた。ハッと思ったのは、河野裕子に「かわのゆうこ」とふりがなが振ってあること。永田和宏には付いていない。
考えてみればもっともな話で、短歌の世界では「河野裕子=かわのゆうこ」は常識であるが、一般的にはそうではないだろう。「河野」は「かわの」とも読むし「こうの」とも読む。「塔」でも河野美砂子さんは「こうの」だし、歌人の河野愛子も「こうの」である。
同じように「裕子」も「ゆうこ」とも「ひろこ」とも読めるのであって、やはり初めて知る人にはふりがなが必要なのだ。そんな些細なことに気が付いて、おもしろく思ったのであった。
気まぐれに電話してくるこの人は三十年経つてもこうのさんと呼ぶ
河野裕子『母系』
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