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アーカイブ "2013年04月"

吉川宏志さんの歌集『燕麦』が、第11回前川佐美雄賞を受賞することになりました。おめでとうございます。
授賞式は7月5日(金)18時より東京のガーデンパレスで行われます。また、選考経過、受賞のことば、選考委員の選評等は、来月発売になる「短歌往来」6月号に掲載されます。皆さん、どうぞお読みください。


「現代短歌新聞」を発行している現代短歌社が、昨年から第1歌集文庫というシリーズを刊行しています。
第1歌集と言えば、どの歌人にとっても思い入れの深い一冊。「処女作には、その作家のすべてが詰まっている」とよく言われますが、歌人の場合も同じことでしょう。作歌の原点とも言うべき第1歌集を700円という値段で読めるのは有難いことです。
今では入手が難しい歌集(大半がそうです)や他の全集や文庫等では読めないものも多く、貴重なシリーズと言っていいと思います。既に20点以上出ていますので、詳しくは現代短歌社のHPでご覧ください。→こちら

13:00から事務所にて京都平日歌会。参加者20名。
熊本の村田弘子さんが、名古屋から熊本へ帰る途中に参加された。
京都平日歌会はホワイトボードに表を書いて、各自が選歌する歌に○印を付けるところからスタートする。何点入ったかだけでなく、誰がどの歌を選んだかが一目でわかるので、なかなか面白い。
もちろん、点が多く入ったから良いというものではない。歌会で点の入りやすい歌、入りにくい歌というのもある。「双六と一緒で、10点を越えたらマイナスですよ」と冗談を言ったけれど、まあ、こういうのは一種の遊びと思うくらいがちょうどいい。
今日は前半から議論が白熱して、予定の16:00には終らずに15分ほどオーバーした。司会があてなくても、次々と意見が出るのが良い歌会である。そういう雰囲気を作れるかどうかに、歌会の成否はかかっている。

砂子屋書房の現代短歌文庫のシリーズから『続三井修歌集』が出ました。1500円。第4歌集『風紋の島』全篇と、第5歌集『軌跡』、第6歌集『砂幸彦』の抄録、さらに解説と略年譜が収められています。
ミントの葉一枚紅茶に浮かべたり単身赴任も三月(みつき)を過ぎて
              『風紋の島』
生ハムの柔きをフォークに刺しあぐね言葉少なき二人の夕餉
              『軌跡』
遺書とうを未だ書きたることのなし 薄き落暉が山端にかかる
              『砂幸彦』

現代短歌社の第1歌集文庫シリーズから、永田和宏さんの『メビウスの地平』が出ました。定価700円。
巻末に「『メビウスの地平』出版の頃」と題する永田さんのあとがきと、吉川宏志さんの解説、略年譜も付いています。

文庫版の装幀は、元の本(昭和50年、茱萸叢書)と同じものを使っています。

13:00から永田家で、「塔」5月号の再校と6月号の割付作業。
参加者19名。庭には色とりどりのチューリップが咲いている。

5月号は通巻700号。僕が編集長になったのが601号からなので、ちょうど100冊目ということになる。こうして100か月の間、月に一度の作業を休むことなく続けてきたのだと思うと感慨深い。
途中カレーライスを食べたり、嬉しいニュースを聞いたりしながら、黙々と作業する。5月号はページ数が多くて、けっこう時間がかかる。予定の時刻をオーバーして、17:30に終了。
皆さん、お疲れさまでした。

新幹線に乗って広島へ。
広島では昨日から「ひろしま菓子博2013」が開かれていて、あちこちに案内のポスターなどが貼ってある。
在来線に乗り換えて海田市(かいたいち)駅へ。天気は小雨。駅から徒歩5分ほどで会場の安芸区民文化センターに着く。
13:00より歌会。
毎月顔を合わせてお互いの歌を批評し合うというのは、やはり大切なことなのだとあたらめて感じる。

休憩に食べた「淡雪花(あわせつか)」。もみじまんじゅうの老舗「藤い屋」の新作。ふわりとした食感でレモンの風味がよく利いている。
17:00終了。
その後、広島駅近くに移動して夕食。久しぶりに広島の皆さんといろいろな話ができて楽しい一日であった。

長らく品切れになっていた『永井陽子全歌集』(青幻舎)が、先月8年ぶりに重版となりました。『葦牙』『なよたけ拾遺』『樟の木のうた』『ふしぎな楽器』『モーツァルトの電話帳』『てまり唄』『小さなヴァイオリンが欲しくて』の全7歌集に、解題(藤原龍一郎)と年譜が付いています。
6000円という定価は安くはありませんが、この1冊で永井さんの歌集を全部読めることを考えれば、決して高くはないと思います。永井さんの歌が好きな人にはもちろん、永井さんの歌を読んだことがない人にも、自信をもってお薦めします。
寂しいひとみと寂しい肩を寄せ合えばあんどろめだの息が聞こえる
                 『葦牙』 
ゆふぐれに櫛をひろへりゆふぐれの櫛はわたしにひろはれしのみ
                 『なよたけ拾遺』
べくべからべくべかりべしべきべけれすずかけ並木来る鼓笛隊
                 『樟の木のうた』
大男が梅雨明けちかき街に来てそらの滑車をまはしはじめる
                 『ふしぎな楽器』
生まれくる風やはらかい2Bの芽が出はじめるえんぴつ畑
                 『モーツァルトの電話帳』
鹿たちも若草の上にねむるゆゑおやすみ阿修羅おやすみ迦楼羅
                 『てまり唄』
靴といふ不思議なかたち並べ置く玄関がどの家にもあるのか
                 『小さなヴァイオリンが欲しくて』

昨日・今日と「塔」5月号の初校のとりまとめをしています。現在、初校は東京・京都・大阪・芦屋・広島・鳥取の6か所で、あわせて40名くらいの方々が参加して行って下さってます。
いろいろと入力の間違いはあるもので、「上弦の月」が「上限の月」に、「非常に印象的」が「非情に印象的」になっていたりします。
今回、おもしろかった(?)のは、「クセ字」が「つや字」に、「息子に」が「見るに」になっていたもの。確かに似ていると言えば似ていますね。
こうして時間をかけて初校・再校をしても、なかなか誤植はなくなりません。校正をしっかりやることはもちろんですが、会員の皆さんには歌稿の字を丁寧に書くこともお願いしたいと思います。

 このあいだの水曜日、10日に山城歌会からの吟行会で深北緑地へ行きました。今年の桜は早くてなかなかじっくりお花を見るチャンスがなかったのですが、深北緑地公園は早咲きの桜、遅咲きの桜いろいろと種類が豊富で、堪能しました。参加者11名。
 毎年たどるコースで、柳の木の下で柳の花を見たり、池の白鳥や鴨(私は離れていましたが)、川の鯉、三箇神社の大きな楠と再会したり。昼食と歌会の会場は山の上のお家。そこのご主人が「へびの木」を見せてくださいました。古い木の根と幹の部分がへびの横顔そっくりでした。
 いちばんうれしかったのは、やまの家の近くの土手にレンゲがたくさん咲いていたこと。その土手は日当たりがよくてスミレやたんぽぽも咲いていました。レンゲは去年よりも増えていて、このままずっと眺めていたいなぁと思うほどかわいかったです。

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