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アーカイブ "2018年05月"

今日は、京都平日歌会を紹介(宣伝?)したいと思います。
本日、5月京都平日歌会が開催されましたので、その様子を。
みなさん、普段自分の行かない歌会がどういうものなのか、知る機会は案外少ないと思うので、書いてみようと思いました。

京都平日歌会は、毎月第4木曜日に、塔短歌会事務所に於いて開催されています。
事務所には24個しか椅子がなく(これ以上は物理的に入らない)、つまり24人がMAXです。
これは、机のない椅子だけの席も含めての数なので、机のある「いい席」は争奪戦です。
その結果、この歌会は開始30分以上前の段階で7~8割の人が既に着席している、という変な(!)歌会です。

その上、今日はなんと満席!24人きっかり出席!
聞くところによると、実は25人目、26人目に申し込まれた方もいて、泣く泣くお断りになったとか。
(こんなことは滅多にありませんが。)

歌会の前には選歌をします。
今回は一人4首選。
みなさん、詠草集を前にじっくり読んで、何度も読んで、一生懸命考えて選びます。
「選びたい歌が5つも、6つもあって、ああ困ったわぁ…」なんてことも、ときにはありますが、無情に4首に絞ります。

歌会の冒頭に、出席者が自分の選んだ歌の番号を発表します。
私なら「小川和恵です。○番、○番、○番、○番」といったように。
そして、出席者は予め配られている秘密兵器、じゃなかった一覧表にそれを書き込んでいきます。
全員が発表し終わると、こんな感じになります。

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(一番右の欄に記入された個人の氏名は消してあります)

どの歌に誰が票を入れたか、一目瞭然です。
怖いですね~!
ただ、ここで何票入ったとか、全然入らなかったとか、それはあまり重要ではありません。
それよりも
①「いい歌を選ぶぞ」という気持ちを持って、全ての詠草にしっかり向きあう時間をまず取る
②これを議論のきっかけにする
というところに意味があるのだと、私は思っています。

京都平日歌会では、票の多寡には関係なく、1番から順番に進めていきます。
概ね、まず票を入れた人に当てる(1~2人)→入れなかった人に当てる→自由に発言、といった進行になることが多いです。
歌会の最中は、こんな感じ。

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(なお、これらの写真に写っている方については、このブログに掲載する許可を得ています。)

ご覧になるとお分かりかと思いますが、結構狭くて、参加者の密集度がすごいです。
私は、この狭さ・密集具合が、京都平日歌会の特徴であり、いい所だと思っています。

まず、比較的意見が言いやすいのです。
それから、聞いている人の反応が伝わりやすいです。
ちょっとした表情の変化や、手の動き、頷きや首振り、それこそ息づかいさえも感じられるほどです。
そういった、参加者のダイレクトな反応を感じ取りながら発言し、また議論が進んで行く、それが「生きた批評」「生きた議論」につながりやすいのではないか、と感じています。
そういった議論の中で、歌がむくむくっと動いたり、大きくなったり、あっという間に位相を変えたり、そういった場面に立ち会うと「ああ、今日は歌会に来て本当によかった!」と思います。

京都平日歌会は、そういうことが起こりやすい歌会だと思います。
もの凄い大激論になることも、しばしばです。
また、最初は1~2票しか入っていなかった歌が、議論によってどんどん立ちあがっていって、「おお、実はこんなに素敵な歌やったんや!」となることもあります。
それは、本当に感動ですね。

今日は24首と、歌数も多かったのですが(いつもは20首前後が多いです)、司会の大地さんの巧みな進行もあって、きっかり16:00に終了しました。
3時間、びっしり歌会をして、とても充実した時間! 

で、終わった途端に疲れがどっと出て、お腹が減るのもいつものこと。
なので、終わった後は有志でお茶に行くのも恒例です。
短歌に関係あること、ないこと、みんなでしゃべりまくります。
こういった時間は、一見何でもない時間のように思えて、実はとても大切な時間ではないか、と思います。
そして「また来月も必ず来よう!」と決意して、家路に向かうのです。

近畿圏の方も、そうでない方も、ぜひ一度、京都平日歌会に起こしください。
お待ちしております。

(神戸の休日①の続き)

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というわけで、目的その②は、ほっともっとフィールド神戸に行くこと、でした。
お目当ては、プロ野球のオリックス・バファローズvs埼玉西武ライオンズの試合です。

ほっともっとフィールド神戸は、私が行ったことがある中で、一番好きな球場です。
(そんなにたくさんの球場に行ったことがあるわけではありませんが。)
土と天然芝のグラウンドは、それはそれは美しい!
特に、こんなよく晴れた日の眺めは最高です。

この球場はオリックス・バファローズの準本拠地球場。
ただし、私は埼玉西武ライオンズの30年来の大ファンです。
(注:埼玉生まれの埼玉育ちなのです。)
なので、来るのはもっぱらライオンズ戦。

しかし、残念なことにここでライオンズ戦があるのは、せいぜい年に1~2度。
今年は、この土日の2連戦だけ(あとは全部京セラドーム大阪)。
なので、今回は少々無理をして、この日曜日に来たのです。

観戦した席からの眺めは、こんな感じです。

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私のお気に入りの、3塁側フィールドシートです!
フィールドシートは、グラウンドレベルで、つまり選手が実際に試合をするのと同じ視線で見ることのできる座席で、フェンスやネットもないので、ここで試合を見ると本当に迫力があります。
ちなみに、今でこそ様々な球場にフィールドシートがありますが、日本で初めてフィールドシートを導入したのは、このほっともっとフィールド神戸です。

プロ野球の試合前の練習は、通常、ホームチーム→ビジターチームの順番なので、開門したときにはビジターチームの選手が練習しています。
なので、贔屓のチームがビジターの試合を見に行くのは、実は練習風景を見ることができて、ちょっぴりお得なのです。
でも、普段はテレビの中でしか見たことのない選手やコーチたちが、目の前で練習していたり、誰かと話していたり、ウロウロしていたりするのを見るのは、とても不思議な感じがして、なんだか現実感がありません。
陳腐な言葉ですが「夢の中の世界」といった感じがしてしまいます。

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それとフィールドシートで観戦することの特典のひとつは、運がよければ選手にサインしてもらえることです!
時間がある選手は(中継ぎのピッチャーが多いですが)、比較的丁寧にファンに接してくれて、時間が許す限りサインにも応じてくれます。
声を掛けるのはちょっと、否かなり緊張しますが、本当にうれしいですよ。

試合中は、当然のことながらファウルボールが飛んでくることもあります。
この試合では、ライオンズのメヒア選手が打ったライナー性のファウルボールが、もの凄い低さとスピードで突き刺さるがごとく飛んできて、もの凄く怖かったです。
運良く、座席ではなく、座席と座席の間の通路に飛んだので、誰にも当たらず済みましたが。

試合は、残念ながらライオンズが負けてしまいましたが、お天気にも恵まれて、神戸の休日②を十分堪能させてもらいました。
来年もまた見に行けたらいいな。

今日の近畿地方は、どちらかと言えば「初夏!」という感じの、よく晴れた気持ちのいいお天気でした。
そんな日に、久しぶりに遠出して、神戸まで行ってきました。
目的は2つ。
今日書くのは、その1です。

その目的地は、神戸市営地下鉄・海岸線の新長田駅。
これをどうしても生で見たかったのです。

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…って、これではよく分かりませんね。
では、お目当てのもののアップを。

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はい、坂本花織選手(フィギュアスケート・平昌オリンピック代表)の赤ちゃんのときの手形・足形です。
オリンピックが始まる少し前に報道されたので、ご存じの方も多いかもしれません。
地下鉄海岸線が開通した2001年に、その前年の2000年に生まれた子どもの手形・足形を募集したところ、坂本選手のご両親も応募され、展示されたそうです。

この坂本選手の手形・足形は一番上段に展示されていたのですが、なんだかひときわキラキラ光っているような気がしました。
絶対に生で見たかったので、やっと念願叶った!
一番上段だったので、撮るのにはちょっと苦労しましたが(笑)

で、目的の1つ目を完遂して、地下鉄海岸線…には乗らずに、西神・山手線に乗って、次なる目的地へ。
それは、ここです!

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本当に空が青くて、風が心地よくて、様々な濃淡を持った緑が眩しくて、絶好の○○日和!
(②に続く)

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万葉集には「武奈伎」と表記されていたらしいですが、その頃から日本人は
鰻を食べていたようです。ここ数年、漁獲量が急減し、もはや絶滅危惧種・・・。
我が家の近くにも鰻料理の老舗があり、家族の冠婚葬祭などの折に愛用
していたのですが、七年ほど前に閉店してしまいました。仕入れがうまくいかず、
お店を続けられなくなったとのこと。上記の写真は、昨年、柴又に出かけたときに
食べたうな重です。もう、最後かも、とかみしめて味わいましたが(また食べるかも)。

鰻好きの歌人と言えば、断然斎藤茂吉ですね。

  これまでに吾に食はれし鰻らは仏となりてかがよふらむか
                  齋藤茂吉『小園』

関西では「まむし」と呼んでいるのだそうですね(違う食べ物みたいだ)。

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目黒駅から権之助坂を降りて、山手通りと交錯する角近くが金毘羅坂の坂下。
その少し先に、その名も面妖な「公益財団法人 目黒寄生虫館」があります。
基本財産と寄付により運営されている私立博物館、ということで、こじんまりと
はしていますが、内容的にはとても充実していて・・・。

最初はうえ~っつ、と心の中で退きながら、目は引き寄せられていく感じ。
たとえば、こんな、人間の体内から採取された、ミミズ状の虫とか。
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他に、人間の身ではなく、動物に巣食う寄生虫も沢山展示されていました。
サナダ虫が圧巻だったんだけれど、長すぎてでしょうか、エラーになってしまって
写真がここにアップできません。作品で感じて下さい。

  冬晴れの金毘羅坂に空き地ありそのさき目黒寄生虫館
  さなだ虫やわらやわらに畳まれて標本壜に収まるあわれ
                 吉川宏志『夜光』 

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二年ほど前に訪れた、ベトナム中部の都市フエ。阮王朝の都として栄えた町です。
写真にある王宮は、ベトナム戦争でかなり破壊されましたが、修復が進み、近年は
観光客で賑わうようになりました。ベトナム戦争時、十代だった私は、やはり
ベトナムというとあの悲惨な戦争のことを真っ先に思い出してしまうのですが。

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市場は活気に溢れ、特に農産物が信じられないほど豊富。市場の担い手は断然女性たち。
戦後の復興が速やかに進んだのも、勤勉なベトナム女性の存在あったればこそ。

  過去形も未来形もなき越南(ベトナム)語今日を生きつつ女たくまし
                        谷岡亜紀『闇市』

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今日から大相撲夏場所が始まりますね。場所は両国国技館。両国はまさにお相撲一色の地区で、
駅の改札脇にはこのような、お相撲の像が皆様を待ち構えています。みんなどこを撫でるか一目瞭然。
近くにはお相撲の部屋もいくつかあって、早速陸奥部屋をみつけました。

お相撲というと、2010年11月に十両に昇格して俄然注目されるようになった高安。
しこ名は本名ということもあって、「塔」では創始者高安國世との縁が取りざたされるようになり、
歌に詠まれる方も多いのです。

  高安先生と何の関係なけれどもやはり応援力士高安
                      上柳盈子「塔 2017年10月号」

今場所は体調不良により、休場ということで残念ですが。
両国は駅構内から、お相撲に関する展示も多く、例えばこんなコーナーもあります。
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近くに来られた折は、足を延ばしてみて下さい。ちなみに、東京歌会、東京平日歌会などが
開かれている中央区産業会館からも、一駅のところです。

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すこし前にカラスの巣作りについて書いた(巣づくりの春)が、ぼちぼち子どもたちが巣だっているようだ。
 
この子など、目がくりくりとして、いかにも。
警戒心より好奇心。

とはいえ、ちょっと緊張している。
こういうときに、声は出ない。
  
写真は望遠で引き寄せているけれど、距離はだいたい3m。
 
 

鳴けば聞くその幼なごゑ杉の枝に烏はしばしわれを見おろす, 馬場あき子[1991]『南島』

去年、テントウムシのことを何度か書いて、今年もそろそろ?と思って草のあるところを注意していたら、4月の上旬に幼虫があらわれはじめ、4月の14日に、私としては今年はじめて成虫を見た。ナミテントウ。

その後も注意していると、これまで見たことなかったような模様のものも見つけた。
だいたい、ナミテントウ。いろんな色・模様のバリエーションがあって、これ、おそらくみんなナミテントウ。

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左上が19星タイプ。
左下も19星タイプだが星が消えそうなもの。
これら2つと、まったく星がないのも含めて「紅型」とされるもの。

右上は「斑型」。
右下は「2星型」だが、ちょっと変形。

このほか「4星型」があって、だいたい基本が4タイプ。
右下の「2星型」もそうだが、基本型からちょっと変形したようなものも少なくない。
 
こんなにいろんなタイプがあって、どうしてナミテントウなのかわかるのか!?
……というのは、端的に言えば、いっしょに仲良くしているかどうかということ。つまり、

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ということにほかならない。
上にいる♂は星が完全に無い「紅型」。♀のほうは「2星型」か「4星型」。
 
実験室で、タイプの違うのを同じ容器に入れて繁殖させたらどんな模様の子が生まれるのか、遺伝にかかわる研究の対象であったりするらしい。

   *

ナミテントウ以外も、ぼちぼちあらわれている。
これはナナホシテントウ。

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こちらのほうは、ナミテントウやナナホシテントウより少し小型。
ダンダラテントウではないかと思う。

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連休は終ってしまったが、外に出るのに気持ちの良い季節だ。
ここ数日、すこし冷えているけれど、気温が低いとき、あるいは早朝のまだ気温の上がらないときは、虫の動きも鈍くなるので見付けて写真を撮りやすくなる。

そうやって、くさむらの中に目をこらすわけだが、しばしば、

あ、ごめんなさい

ということもがある。

もちろん、上の写真のようなテントウムシたちの営みのことであるが。

五月野の青草のなかに相寄れば天道虫が君の手を這ふ/川田順『東帰』

   *

テントウムシあれこれ
くさむらの天道虫

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