『もうすぐ夏至だ』(松村)
永田さんのエッセイ集 『もうすぐ夏至だ』 (白水社)が、5月13日に発売されます。
お知らせまで。
永田さんのエッセイ集 『もうすぐ夏至だ』 (白水社)が、5月13日に発売されます。
お知らせまで。
13:30から京都教育文化センターにて、光森裕樹歌集『鈴を産むひばり』を読む会。参加者二十数名。レポーター、中津昌子(かりん)、棚木恒寿(音)、大森静佳(塔、京大短歌会)、司会は西之原一貴さん。
レポーターの方々の批評を中心に、途中で会場の参加者にも発言する時間を設けて、最終的に全員が意見を述べた。いろいろな角度からの批評があって、面白い会だったと思う。
鈴を産むひばりが逃げたとねえさんが云ふでもこれでいいよねと
云ふ
ポケットに電球を入れ街にゆく寸分違はぬものを買ふため
ゼブラゾーンはさみて人は並べられ神がはじめる黄昏のチェス
ずぶぬれのコートを羽織るもし人に翼のあらばかく重たからむ
擦れちがふすべての靴の裏側がやさしく濡れてゐるといふこと
17:00終了。
その後、近くの居酒屋で懇親会。二次会へは行かずに帰宅。
角川「短歌」5月号の大橋智恵子さんの歌(12首)が面白い。
三度目の雪がきたので石垣の蛇の衣はちぎれてしまふ
靴をぬぎ雪の夜の坂帰りをり気違い沙汰にみえるでせうか
流紋の紺美しき寒の鯖赤い枕にねかせてみたい
水仙を葱のかはりにきざめたらこの世はもつとたのしからうに
杳として行方知れない海田町の恵比須神社のことこと祭
どの歌も発想や言葉が自由で、生き生きとしている。口語の使い方にも味わいがあり、不思議な歌の世界に引き込まれてしまう。
会員の坂田久枝さんが17日に逝去されました。坂田さん(旧姓・藤牧さん)は1954年の塔の創刊以来の会員で、故坂田博義の奥さんでした。歌集に『すずかけ』(1992年、唐草書房)、『爽秋・自転』(2006年、青磁社)があります。ご冥福をお祈りします。
今日は2月8日に94歳で亡くなられた諏訪雅子さんのお宅に伺ってきた。諏訪さんは「塔」創刊以来の会員で、1984年〜99年まで選者を務められた。歌集は『遠花原』(1977年、白玉書房)と『春空』(1987年、石川書房)の2冊がある。
僕が編集長になってからは、毎月、詠草をわが家にFAXで送っていただいていた。FAXとともに必ず電話もかけてこられて、しばらく歌の話などをした。歌作りに対する情熱は最後の最後まで衰えなかったように思う。1月の半ばに、ようやく退院したというお電話をいただいたのが最後になった。
諏訪さんのお宅には、短歌関係の蔵書が大量に残されていた。もう帰ることのない主を待っている本たちは、ひどく寂しそうであった。
13:00からメルパルク京都にて、河野さんの追悼座談会。参加者5名+記録係2名。14冊の歌集+それ以降の歌も含めて、ああでもない、こうでもないと、いろいろ話す。
途中に休憩を挟みつつ、あっという間に時間が過ぎ17:00終了。その後、京都駅ビルのイタリア料理「ITALICO」で軽く夕食、19:00まで。
みんなと別れて家に帰ると、急にドッと疲れが出て、3時間ほど机の前で寝てしまった。座談会は8月の河野裕子追悼号に掲載になります。
18:15からメルパルク京都にて、現代歌人集会の理事会。現代歌人集会は主に西日本の歌人が所属している団体で、1970年の創立。初代の理事長は高安国世である。
今日は7月3日(日)に行われる「現代歌人集会春季大会 in 長浜」の役割分担等の打合せ。大会のテーマは「口語のちから・文語のチカラ」。安田純生氏の基調講演、今野寿美さんの講演、そしてパネルディスカッション(石川美南、永井祐、澤村斉美、進行・棚木恒寿)という内容である。
面白い話になると思いますし、「塔」からも澤村さんが出演しますので、皆さんぜひ長浜まで足をお運びください。よろしくお願いします。
結社誌「合歓」(代表・久々湊盈子さん)の52号が届いた。7ページにわたって、インタビュー「池本一郎さんに聞く」が掲載されている。一郎という名前のこと、五歳で亡くなった妹さんのこと、高校の英語教師をしていた頃の話、短歌における認識について、「塔」についてなど、これまで知らなかった話も多く、とても興味深く読んだ。
結社誌ですので、読もうと思ってもなかなか手に入らないと思います。お読みになりたい方は、コメント欄か松村宛にご連絡いただければコピーして送ります。池本ファンの方はぜひどうぞ。
ダルトドリーム四月二十二日生まれ馬なればみな春の日生まれ
藤井常世『夜半楽』
ダルトドリームは馬の名前。一連の最初に「近隣の農芸高校には馬が二頭飼はれてゐる。」という詞書がある。かつての競走馬が引退して高校の馬術部で飼われているのだろう。
下句の「馬なればみな春の日生まれ」がいい。人間の誕生日は365日どの日にもあるが、馬をはじめとして動物たちの出産の季節は決まっている。
試しに有名な競走馬の誕生日を見てみると
・シンボリルドルフ 3月13日
・オグリキャップ 3月27日
・トウカイテイオー 4月20日
・ナリタブライアン 5月 3日
・ディープインパクト 3月25日
・ウオッカ 4月 4日
という具合に、確かにどの馬も春の生まれである。だからこそ3歳馬、4歳馬といった競馬の括りも成り立つのだろう。人間の場合、保育園などでも4月生まれと翌年の3月生まれでは体格的に随分とちがう。
プレジデントスター四月二十六日生まれ北の花吹雪あびて生れ
けむ 藤井常世『夜半楽』
河野裕子追悼特集(8月号)の原稿(300字)は4月末締切となっています。「塔」4月号の43ページに案内が載っていますので、皆さんどうぞお書き下さい。応募用原稿用紙は3月号に付いています。
なお、2番の「私の好きな河野裕子の歌」についてお書きになる場合、河野さんの歌を羅列するのではなく、引用した歌についての評や感想、コメントを必ず書くようにして下さい。よろしくお願いします。