夕暮れの会話(藤田)
きょうの仕事帰りにぶらぶら道沿いに植えられた木や野菜を眺めながら歩いていると、少し前におばあさんと孫ふたりが歩いていた。お孫さんは2歳くらいと4歳くらい。ちいさいほうの子の手をおばあさんが引いている。保育園のお迎えを急に頼まれた、という感じだった。ちいさいほうの子が、
「おばあちゃん、おうちにかえるの?」
「帰るよ」
すると、お兄ちゃんが、
「おばあちゃんのおうちはラーメン屋さんから何番目の家?」 と訊いた。
「9番目。ラーメン屋さんを1番目と数えて9番目だよ。9軒目ともいうよ」とおばあさんが答えていた。
すごくわかりやすい説明だと思った。9番目っていっても、確かにラーメン屋(どこか知りませんが)を含むのか含まないかで大きく違ってくる。家を間違うことになる。そしてさりげなく「9軒目ともいうよ」と加えるところになんというか余裕を感じてしまった。
慌しくそういう時期を過ごしてしまって、もったいなかったなぁと思いつつ橋を渡って帰った。