ホトトギス(松村)
戸隠神社の奥社の参道を歩いていたら、頭上からホトトギスの鳴き声が聞こえてくる。「キョッキョ、キョキョキョキョ…」と独特なリズムと抑揚で、繰り返し鳴いている。あれが「テッペンカケタカ」か、いや「特許許可局」だろと、みんなでワイワイ話しながら聞いていた。
ほととぎす低きところにこだまして暁の川海につづけり
土屋文明『青南集』
戸隠神社の奥社の参道を歩いていたら、頭上からホトトギスの鳴き声が聞こえてくる。「キョッキョ、キョキョキョキョ…」と独特なリズムと抑揚で、繰り返し鳴いている。あれが「テッペンカケタカ」か、いや「特許許可局」だろと、みんなでワイワイ話しながら聞いていた。
ほととぎす低きところにこだまして暁の川海につづけり
土屋文明『青南集』
今年とっている美術史の授業に、17世紀オランダの画家たちの工房について勉強するというものがある。カーテンを閉めて暗くした教室でいろいろな絵を次々に見ていくのだが、それが本当に面白くて、ぐうたらな私もこの授業だけは欠かさず出席している。
いつもはヤン・ステーンというマイナーな画家の絵を中心に見るのだが、先日少しだけレンブラントの話が出た。
レンブラントの奥さんはサスキアという名前。とてもきれいな名前だと思う。花の女神フローラに見立てたものなど、レンブラントはサスキアの絵をたくさん残している。教授がおっしゃるには、ヨーロッパの美術史家の間でもサスキアという名前はやはり特別に愛されていて、多くの美術研究家が自分の娘をサスキアと名づけているらしい(サスキアは若くして病死したからあまり縁起はよくないのに…と教授)。
日本では、こういうふうに歴史上の有名人や小説の登場人物の名前をそのまま娘につけることは珍しいように思うけれど、どうでしょうか。
天気予報に雨マークが並んでいるなと思っていたら、近畿・
中国・四国地方が梅雨入りしたというニュースが流れた。
気象庁のデータを見ると、近畿地方の梅雨入りは平年では6月7日、
昨年は6月13日だったそうだ。今年はだいぶ早いことになる。
梅雨の山見ゆるこの室心足りていそしみし日の幾日ありたる
高安国世『新樹』
1975(昭和50)年、京都大学を定年退職する前年の歌。
雨の降り続く山を眺めながら、来し方を振り返っている作者である。
「この室」は大学の研究室のことだろう。
今日は再校の日だった。
が、朝からちょ〜っと立て込んでしまい、
欠席した。
出席されたみなさん、おつかれさまでした。
パン、食べたかった。
♪
私の部屋から見える交差点の信号は
夜の11時を過ぎるとチカチカしはじめる。
このチカチカは、
点滅というのか、明滅というのか。
どっちもチカチカにかわりはないけれど、
点滅のほうが明滅より間隔が狭いそうだ。
点滅はチカチカ
明滅はチーカーチーカー
だ。
夏の夜の信号さびしく点滅す
夏よ夜の灯台かなしく明滅す
♪
もう日付が変わってしまいましたが、21日は旧月歌会でした。
いつも通りハートピア京都にて、13時から17時まで。
出詠は40首。松村正直さんの授賞式と日程がぴったり重なってしまった関係で、いつもよりちょっと少なめでした。
松村さん、おめでとうございます。
今日は特に、ぜひ意見を言いたい!という挙手のたくさん集まる歌とまったく手の挙がらない歌の差が激しかったように思います。
余裕を持ってスタートしたはずが、やはり最後は駆け足になって何とか17時に終了。
その後、向かいのシュークリームのお店でお茶をしました。10名弱。
皆さんのお子さんの話など、とても面白く拝聴。
18時すぎに解散。
旧月歌会の方々、晩御飯とまではいかなくても軽くお茶をしましょうかという流れになることもありますので、今後歌会終了後にもしもお時間のある場合はぜひ玄関のあたりに残っていてください。
以前書いた写真家の井上隆雄さんから何度かお電話をいただいた。
いつも夫がいないので私が出ると、先日は、去年大病をされ、何十日と生死をさまよわれた話をされた。それから裕子さんの思い出、永田さんとNHK歌壇に出られたときのことなどしみじみと語られた。今は前のように、出かけて仕事をできないが、未発表の写真がありそれらの整理などされているという。
こんなふうにしみじみと誰かの話を電話で聞いたことがあると思ったら、それはやはり裕子さんの電話だった。
「歌はほんとうに難しいんです・・・。」「人間は生身やからね・・・。」いつも緊張して受けていたので内容は細かく思い出せない。言葉と言葉の間の沈黙、その深い感じが似ていたのだ。