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アーカイブ "2011年11月"

角川「短歌」12月号の巻頭は今野寿美さんの「茱萸叢書」30首。

・よき歌の集ふたつほど世に問うて消えにけるかな茱萸叢書といふ

このことを、先日の拡大編集会議のあとの飲み会のときに、松村正直さんがいちはやく教えてくれた。
(ぼくの住む鳥取では雑誌の販売日に若干のラグがあってまだ届いていなかった。)
「茱萸叢書」といえば、永田和宏『メビウスの地平』1975。
この歌集は本当に美しく、美意識がぴんと通っている。
どうしても欲しくて、欲しくて。やっとはじめて手にしたときは、外ケースから出した本の表紙に「fugit irreparabile tempus」と小さな金色の文字があり、これを見ただけで「おおーっ」っと声をあげたくらいであった。
装幀・口絵は建石修志さん。いうまでもなく、歌もすてきである♪
限定500部のこの歌集にはすべて手書きでナンバーが付いている。
ぼくのもっている「メビウス」の奥付には紫色のサインペンで「164」と書かれている。
「メビウス」をお持ちのみなさん。みなさんの「メビウス」は何番ですか?

13:00から、京都烏丸コンベンションホールにて、拡大編集会議。参加者21名。
拡大編集会議は、選者・編集部全員が集まって年に2回行われる会議で、「塔」の最も重要な会議となっている。
会員数報告、会計報告、来年の批評欄の人選、来年の誌面の内容、来年の全国大会の内容、その他の懸案事項などを議論して、17:00に終了。いくつか大事なことも決まった。
その後、近くの居酒屋で食事。さらに二次会へ。22:00頃に解散。
お酒を飲まない代りに、ジンジャエールを6杯も飲んでしまった。

「塔」11月号の作品連載に、こんな歌があった。
  高安という名の力士見てみたい番付ひくくていつも見のがす
               池本一郎
そうそう、僕も前から気になっていたんです!
以前はまだ十両にいたのだが、今では前頭8枚目まで上がってきている。今場所も今日勝って7勝6敗。勝ち越しまであと一つ。1990年生まれの21歳とあって、今後が楽しみである。

日記をつけてないので、いろんな過去のことを忘れていくなあと思うこのごろ。
先日、京大の前を通りかかったら、ちょうど学祭で、昔のことをあれこれ思い出した。
京大短歌会に入った年に学祭に誘われて行ったら、吉川くんはたこ焼きの店にいた。
たこ焼きを食べながら、いろいろ話をして、最後に私をじっと見て
「ところで、お名前なんでしたっけ??」と言われた。
・・・家に帰って母に、「大山さんじゃない方の人に会った」と報告・・。
大山令彦さんは、私より年上で、変わった歌を作る超美青年だった。
永田さんたちとみんなで、散歩しているとき、大山さんに、虫が交尾しているよとゆびさして話しかけられた。
テレビゲームがすごく得意とも言ってた・・。懐かしい。

秋も深まってきて、鴨川沿いの桜紅葉や公孫樹の黄葉がとてもきれい。13:00から永田家にて、12月号の再校&1月号の割付作業。参加者15名。
いざ、作業を始めようとしたところ、再校のゲラを自宅に忘れてきたことに気が付く。編集長になって7年になるが、こんなことは初めて。急いで取りに帰ってもらったが、再校作業は遅れに遅れて15:00のスタートになってしまった。何とも申し訳ない。
その間、再校のメンバーは永田家の柿や柚子の収穫をして、干し柿を作ったりして時間を過ごす。再校のゲラが届いた段階で急いで作業に取り掛かったが、なかなか終わらず、いつもより遅れて18:00に何とか終了。痛恨の一日であった。

朝は雨。10:00から事務所にて、編集企画会議。参加者9名。
来年の批評欄のメンバーや特集の内容、全国大会のプログラムなどについて原案を練る。12:00まで。
その後、京都テルサへ移動して、13:00から京都霜月歌会。参加者38名。今日はいつもに比べてかなり人数が少なかった。鳥取から池本さんが来られて、久しぶりに歌会でご一緒する。
途中「テンプレ」という批評用語が出てきて、意味のわからない人が多かった。「テンプレート=template」のこと。ワープロなどの定型書式を指す言葉で、型にはまった表現といった意味なのだろう。僕も初めて聞いた。
17:00終了。いつの間にか、雨はあがっていた。

今年の京都忘年歌会・忘年会は、例年より早く12月4日(日)に行われます。
参加申し込み〆切まで残り1週間となりました。
詳細は以下の通りです。
このブログをご覧になっていない方にもどんどん声をかけてください。
ご参加お待ちしています。
*****************
12/4(日)京都忘年歌会【京都】
京都歌会と旧月歌会の合同歌会ならびに忘年会を下記の要領で行います。
【日時】 12月4日(日)午後1時〜5時 歌会
            午後5時30分〜 忘年会(京都木村屋本店)
【場所】 メルパルク京都 *京都駅烏丸中央口右手すぐ
【会費】 歌会1,000円 忘年会5,500円(学生3,000円)
【詠草】 詠草一首と忘年会の出欠を明記して、11月25日(金)までに、
     葉書またはメールでお申込み下さい。(締切後の申込みは不可)
【宛先】 大森静佳 (住所・アドレスは「塔」の各地歌会案内をご覧ください)

昨日は、クラシックギターのコンサートへ。
西宮ガーデンの近くでした。娘とおしゃれな街をきょろきょろ・・。
ギターリストは、無口、表情も静か。
その分、楽器に気持ちがこめられていました。
歌人もそんなひとがいい。
秋のおすすめの曲は「11月のある日」
youtube で見てみてください。貼り付けができなかったので・・。


11月12日、13時から天満橋ドーンセンターで大阪歌会。
駅から見える川がうつくしい。こういう場所に住みたい。
前半で計27首(欠席1名)を2時間かけて批評した。2首ずつ批評する形式がスタイリッシュである。澤辺さん、黒住さんのキャラがとてもおもしろく、それも相まって和やかな雰囲気の歌会であった。(カンナの歌、カタバミの歌が好きでした。)
後半は山下昭榮歌集『夜明けの手紙』批評会。
 いつ見ても汚ない象さん象さんの汚いことが我は好きなり
 一つ一つ仕上げてゆける仕事なり箱の暗きにやがて収める
参加者は一人三首選のうえ、その魅力をレジュメに読みあげてゆく。一首目は最も選をあつめた好評の歌。下句の「我は好きなり」がばつぐんで、此処に山下さんの面目躍如たるものがあるとの評。個人的にはもっと批判点を出して議論すべきなんじゃないか、などと思いもしたが、仲間の歌集出版をともに喜ぶという気持ちにあふれた、良い会であったと思う。

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