初夏のころ、たくさんいたテントウムシがぱたっと少なくなった。
暑さにそれほど強くないらしく、盛夏期にはもの陰にかくれてじっとしているのだそうだ。
先日、ひさしぶりに見かけたナナホシテントウは、歩道のうえを歩いていた。
こんなところにいたら踏んでしまう。
天道虫を朝の歩道に蹴飛ばしてかがやく夏の図書館に入る/西勝洋一『サロペツ日誌抄』
蹴とばすというのは、難しかろう。
しゃがみこんで写真を撮っていたら
びゅん
と、自転車が横をすり抜けていった。
指につかまってもらって、植え込みのほうへ移したが、さてこのあとどうするつもりだろう。
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ナミテントウ や ナナホシテントウ にかわって、しばらく草むらで活動していたのは、ヒメカメノコテントウ。
ふつうのテントウムシに比べて、かなり小さい。3mmぐらい。
テントウムシにいろんな種類がいることを知らないと、テントウムシだと気が付かない。これも、ナミテントウのように、いろいろな模様のものがいる。模様が違っても仲良くしているのは同じ種類。
これもアブラムシを捕食する。
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アブラムシを食べてくれるなら益虫だが(といって、食べ尽くしてしまったら生きていけなくなるので、適当なところでバランスしてしまう)、農作物の葉を食うやつもいる。
ニジュウウヤホシテントウとかオオニジュウヤホシテントウとか。
テントウムシダマシとも呼ばれるが、分類としては、テントウムシのなかま。
テントウムシダマシは棄ててテントウムシだけを溜めをり小さな瓶に/花山多佳子『胡瓜草』
毛が生えていてつやがない。かわいくない。だからいらない……ということかもしれないが、畑とか家庭菜園をやるなら、これは逆。テントウムシダマシはつかまえて殺してしまわないと畑を荒らされる。
これはたぶんニジュウヤホシテントウ。
ナス科の植物(ナス、ジャガイモ、トマト……)の葉を好むので、畑で見ることが多いが、ここは幹線道路の植え込み。
ちょっとおどろいたが、雑草として生えているイヌホオズキはナス科。
こういうところなら、草取りするぐらいのつもりで食べ尽くしてもよいのだが、なんとも行儀悪くあちこち食べちらかしている。
こういうのも、立ち止まって撮影していると「なにしてますの?」と声をかけられたりする。
よほど挙動不審に思われるのだろう。