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岡部史です、こんにちは。

東京土産というと、私が子供だった昭和三十年代は、
中村屋のかりんとうとか、浅草の雷おこし、あたりが定番でした。
いずれも、素朴な味。形も色彩も、地味でした、はい。

はっと、気が付くと、東京バナナなるお菓子がずいぶん目に
つくようになっていて、驚きました。ふっくらとした小麦粉生地が美味しそう。
形も愛らしいし・・・。一度食べてみよう、と思いつつ。

売っているのは都内の駅なかの売店、或いは羽田空港あたりに限られていて。
なかなか買えないでいましたが・・。京都で行われたある年の編集会議の帰り。
新横浜駅の売店で見っけ! 何やら星形の模様入りの、「特別版」らしく、
定番が欲しかった私は躊躇したのでしたが。購入して食べてみました。
癖のない味がお土産としては無難なのかな~、という印象でした。

永田和宏氏を呼び止めた東京バナナは、どんな風貌をしていたのかな。

品川駅山手線へ急ぐとき東京バナナに呼び止められき
               永田和宏『某月某日』

岡部史です、こんにちは。

渋谷の道玄坂、東急文化村通りを行くと、ひっそりと
たたずむ碑があるのに気が付く方もおられるでしょう。
何やら殺伐とした都会の縁には似合わないその名も
「恋文横丁」 とは!? 

実はこのあたりは、終戦直後「道玄坂百貨街」とか呼ばれる
闇市ができていたらしいのです。近くの代々木公園内の
ワシントンハイツにはアメリカ兵が多く駐在していて、
兵士らと恋に落ちた女性たちのために、愛の言葉を伝えるための
代書屋ができ、一時は行列を作るほどの人気ぶりだったのだとか。
闇市の、ちょっとうらぶれた雰囲気が、わずかながら残っていますね。

時代は電話、そしてメールへと移り、「恋文」も死語化していますが。

 行間に独特の垢のこびりつく君の手紙に唇を寄す
              王生令子『夕暮れの瞼』

手紙の持つリアリティに、どっきりさせられた作品でした。

会員の皆さまへ

一部で「塔」3月号の不着が発生しています。

3月25日18時の時点で届いていない会員の方は、

メール info@toutankakai.com

または お問い合わせフォーム https://toutankakai.com/contact/

でご連絡ください。

氏名、住所(ペンネームの人は○○様方まで含めて)を明記してください。

メールやインターネットを使わない方は小川和恵さんまで電話・FAXでご連絡ください。 小川さんの連絡先は2月号までの「塔のひろば(ピンクの頁)」最終頁をご参照ください。

注!!いつもの不着問合せ窓口の木村輝子さんとは連絡先が異なるのでご注意ください!!

2025年3月号の目次です。

202503もくじ

2025年5月31日〜6月1日に行われる「全国大会in横浜」の申し込みは4月4日迄です!詳しくは3月号の案内をご覧ください。


2025年1月25日に行いました、あけましておめで塔!オンライン新年会のうち、
「2024年全国大会詠草集&選者賞・互選賞作品を読む」をYouTubeにて期間限定公開いたします。
当日参加できなかった方も、ぜひYouTubeでお楽しみください!

https://youtu.be/Hv2wTBZ4yvE
視聴期間:3月10日~3月31日

パネルディスカッションのレジュメは下記よりダウンロードできます。
2025オンライン新年会ディスカッション資料・選者賞互選賞一覧

 

第15回塔新人賞・塔短歌会賞 選考結果を発表いたします。

塔新人賞
受賞:中野功一「梅雨晴」
次席:仲原 佳「あかるい明日」

塔短歌会賞
受賞:小田桐 夕「きんいろ林檎」
(次席は該当作なし)

みなさまおめでとうございます。
受賞作・次席作・候補作と選考座談会は4月号に掲載します。

相原かろです。自販機の話題に便乗します。
「出し汁の自販機」、
以前のブログで岡部史さん、小川和恵さんが採り上げていましたね。
岡部さん記事参照〕〔小川さん記事参照
実は、私の住む地域にもありまして、お二人の記事を楽しく拝見していました。

私が存在に気づいたのは5年くらい前でしょうか。
ちょうど感染症ドタバタの頃だったような。
初めて見たときは私も「!」となりました。
2種類だけの液体がズラーッとならんでいる絵面が目を引きました。

外出や外食が制限されているから販売してるのかなぁ、と思っていたのですがどうやらそうでもなさそう。
当時、短歌にしてみたのですがイマイチだったのでどこにも出さずお蔵入り。
私も買ったことはないです。

さて、
岡部さんの最近の記事に珍しい自販機の紹介がありましたので、
私もひとつ。
今月の「塔」にこんな自販機を見つけました。

自販機が吐き出すやうに唐突に短かき今年の秋始まれり
  辻井昌彦 (塔 2025年2月号P17)
  ※お名前、正しくは一点シンニョウの「辻」です。

もちろん比喩ですが、本当に秋を売っている機械を想像してしまいました。
下のほうの取り出し口から秋風がふぅーっと吹き出してくるような。
昨年の秋の唐突さ、短さをまざまざと思い出します。
ひと秋(?)おいくらなんでしょう。

忘年会プレゼント

唐突に載せた写真は、自販機とはまったく関係なく、
昨年の東京歌会忘年会でもらった唐辛子、
ではなくサンタクロースの「何か」です。

初めて塩野七生の作品を読んだのは中学生の頃だったと思います。
『ルネッサンスの女たち』『愛の年代記』『神の代理人』などを
夢中で読みました。
その後、高校、大学時代を通じて彼女の著作をわくわくして読んだものです。
『チェーザレ・ボルジア、あるいは優雅なる冷酷』
『わが友マキアヴェッリ』はずいぶん話題になりました。

就職してからはすっかり読書にかける時間が減ってしまい、
『海の都の物語』を読み通すのが大変だった記憶があります。
でも、これを読んでから訪れたヴェネツィアは最高でした。
その後も『コンスタンティノープルの陥落』
『ロードス島攻防記』『レパントの海戦』などを読みました。

大著『ローマ人の物語』が年1冊刊行されるようになると
しばらく追っかけていましたが、多忙になって、追っかけは中断。
このまま塩野七生を読了できないのかなと、ずっと漠然と思っていましたが、
数年前に決心して読書を再開。
1年に1~2冊ぐらいのペースでしたが『ローマ人の物語』を読了。
その後『ローマ亡き後の地中海世界』
『十字軍物語』と何とか時間を見つけて読み、
今年になって『皇帝フリードリッヒ二世の生涯』と
最後の大作『ギリシア人の物語』をついに読了。
今、七生ロスに浸っています。

エッセイなどいくつか読んでないものはあると思いますが、
著作のほぼ大半は何とか読んだのではないか、と。
「史書」でもなく「歴史小説」でもない。
史料をあげながら感想を述べていく、曰く「歴史エッセイ」。
塩野七生が拓いた分野ではないでしょうか。

狂信的で偏った正義を何より嫌い、
合理的でバランスの取れた知性の持ち主をとりわけ好んで描いた塩野。
一番のお気に入りはユリウス・カエサル(ジュリアス・シーザー)でしょう。
そして最後に描いたのがアレキサンドロス(アレキサンダー)大王。
永遠の青春を生きた若き大王の生涯を描き切って筆を置いたその偉業。

同時代に生れて塩野の著作を読めた幸福をかみしめています。

タキトゥスは記せり 蛮族ゲルマンはただ自分みづからだけに似る
                               香川ヒサ

もう一ヵ月近く前のことになってしまいましたが
文学フリマ京都に出店した「塔」のブースは大盛況でした。
ご協力、ご来店下さった皆様に御礼申し上げます。

写真は塔ブースの目印の旗です。会員様の手作り!

今回の文学フリマ京都の来場者は5000人超だったとのことです。
「塔」のブースを訪れて下さったお客さまの数は数えられていませんが
結局100冊弱の本が売れて、出店料など経費を差し引いても
「塔」にいくらか売り上げを収めることができました。

しかし!!
「塔」の文フリ参加は売り上げを得ることが主目的ではありません。

「塔」をご存知無い、でも文学や短歌に興味をお持ちの方に
「塔」の存在を知ってもらうことが第一の目標です。
そのため最新号である「塔」1月号を格安で販売、
さらに段ボール2箱分のバックナンバーを配布しました。
お陰様で1月号は完売、
バックナンバーも全部、興味のある方にお持ち帰りいただきました。

第二の目標は「塔」の歌集を読者に届けること。
作者にご協力いただいた歌集をお手に取りやすい価格で販売しています。
歌集を買うのは実は大変。
一般的な書店に置かれている数はまだまだ少ないです。
それでも短歌ブーム(?)のおかげか、
一部の書店では以前よりは歌集が置かれています。
でも、そういった書店の品揃えはどこもよく似ています。
文フリの「塔」ブースでは「塔」の歌人の歌集に特化して
よくある書店とはひと味違う歌集をお届けしています。
どれも自信をもってオススメできる歌集を
迷ったら2冊3冊と買えるお値段で販売しています。

ボランティアで来ていただいた方同士や
詩歌のエリアで出店している他の歌人の方との
交流も大きな楽しみです。
会員様のご協力で可愛い手作り小物も売ってます。

今年は参加できなかったあなた、
来年はぜひお越しください。
2026年1月18日(日)に「みやこメッセ」でお待ちしています!

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