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岡部史です、こんにちは。

狭い庭ですが、家を建てたとき、憧れの夏柑の木を植えました。
ほとんど害虫がつくことなく、毎年百個以上の実がなります。

昨夏、枝の間に、見かけない緑色の物体をみつけ、
驚きました。小さな妖精のようにも見えてしばらく見とれましたデス。
美しいコバルトグリーンをしていたので、他の植物が寄生している?
とも思ったのでした・・。親指の爪を横から見たような、
その形も何とも整って見えて・・。何かの蕾のようでもあり。

調べてみると、これ、柑橘類の木につく、害虫でした!

その名もアオバハゴロモ。言い得てる! と名付けた人を
賞賛したいくらい。写真ではやや白っぽく映ってますが、
そのコバルトグリーンが、なんともいえず魅力的で。

でも害虫とあれば、放っておくわけにいかず、それなりの
処置をとらせて頂きましたが・・・。
思い出すたびに、その青、その形、どこかふんわりとした
触れたくなるような、外皮を思い出してしまいます。
虫ではなく、青い植物になるのなら、その先を
見届けたかったのだけれど・・・。 

やぐるま草の毳(けば)立つ蕾に青のいろ点(とも)れば青き花の咲くべし
                 花山多佳子『木香薔薇』

3月の最後の土曜日、北摂歌会のみなさんと吟行に出かけました。京都市動物園。
その報告はまた「方舟」や「歌会記」として誌面に載ります。

次のつぎの日曜午後と言い合わす大人ばかりで行く動物園/石本照子『山法師』

今回は日曜ではなくて土曜。大人ばかり。
参加者のそれぞれの作品は、夏頃には概ね発表されるのではないかと思います。お読みいただければありがたいことです。
ここでは、動物園を題材になっている作品をいくつか。

動物園寂(じゃく)として暑し檻ならぬ切符売場に切符売る女(ひと)/高安国世『虚像の鳩』

まず、切符を買わなければなりません。切符は、今は券売機。ただ、ここの券売機はいささか反応が鈍く、タッチパネルを〈げんこつ〉で軽く叩かなければならない状態。何とかしてほしいものです。

水浴びの象の嬉々たる遊びぶり共感す子供も子供の父も/内藤定一『鳥の国より』

ばっしゃーん とゾウが水に入れば、これはもうホモサピエンスの歓声があがります。

群れながら女の湯浴みするやうな王子動物園フラミンゴの池/石原安藝子『モナリザの声』

ここの動物園のフラミンゴのなかの最高齢は60歳を超えているとか。飼育下ではけっこう長生きするとはいえ、なかなか。ずっとここにいるのか……と思いを寄せる人もいらっしゃいました。
面白いのは、鏡があること。数の多い群れで生活する鳥なので、鏡で数が多く見えるようにしているのだとか。
なんだか、鏡があるということも大浴場のようです。

吾子がゆく動物園の春の雨傘かぶりわれもゆかましものを/三ヶ島葭子『三ヶ島葭子全歌集』
癒えむ日は動物園に伴(つ)れなむと兒に言ふ妻を疑はざりし/鈴江幸太郎『海風』
迦陵頻伽の声におびゆるおさな児は在りし世に動物園を知らない/澤辺元一『燎火』

動物園の歌を探していると、寂しい歌、悲しい歌もけっこう出てきます。
病気のために娘(倉片みなみ)といっしょに動物園へゆけない三ヶ島葭子、病没した妻の最後の日々を思う鈴江幸太郎。
そして澤辺元一の亡き子を偲ぶ歌。幼くして亡くなったので動物園へ連れて行くこともなかった。


動物園といえば、この歌。

動物園に行くたび思い深まれる鶴は怒りているにあらずや/伊藤一彦『月語抄』

しばし鶴のところで、表情を窺ってしまいました。

佐佐木幸綱『群黎』冒頭「動物園抄」も忘れがたい作品群です。その末尾

荒々しき心を朝の海とせよ海豹(あざらし)の自由いま夢の中/佐佐木幸綱『群黎』
                 自由を与えないで下さい 〈出口なし〉

注釈のように「自由を与えないで下さい」「〈出口なし〉」がつく作品。
ちゃんと出口があって帰ってくることができました。

塔事務所では編集会議、歌会、読書会
また月1回の開所日などを行っています。
その後欠かせないのがお掃除。
現在、寄付された掃除機を使っていますが
どうも調子が思わしくなく・・・。

3月は引っ越しのシーズンですね。
不要になった掃除機はございませんでしょうか。
寄付していただけると誠にありがたいです。
(あくまで不要品の話です。)

希望はコードレスのスティックタイプです。
事務所を使った人が気軽に掃除しやすいことと、
小型の物でないと置けないというのもあります。

こんなのあるよ!というメールお待ちしています。
ezs01212☆nifty.ne.jp
(☆を@に変えて下さい。)
川本まで。
どうぞよろしくお願いします。

覚えてもらう必要があることを短歌形式にすることがある。古くは「釈教歌」とか「神祇」の類。
近代以降でも宗教指導者が夥しい短歌をつくっていたりすることもある。
あるいはまた志述。幕末の志士であったり、左派的な社会運動の中で詠まれる歌とか。

もうすこし実用的な場面で、標語の類は、だいたい575形式とか短めのものが求められるが、内容が込み入ってくると、短歌形式が選択される場面がある。

最近読んでちょっと面白かったのが近世の本草学における「食物本草要歌」というもの。畑有紀氏の論文「和歌形式の食物本草書の変遷――『永代重宝記宝蔵』所収「食物本草要歌」翻刻と解題――」(食文化研究 No.17, 2021)に翻刻がまとめてあって、それを読む。

にんじんはあさ夕しよくし益ぞある五さうおぎなふものとしるべし

かな書きが多く、仮名遣いも明治以降の標準的な書き方でないが、畑氏の注記も参考に改めれば「人参は朝夕食し益ぞある五臓補ふものと知るべし」。人参に栄養があることは当然だが、朝夕食うというほどによいものなのか。
写真は冷蔵庫にあったもの。いまの時期、鹿児島からの入荷が多いらしい。

覆盆子(いちご)平あまくどくなしひいによし女しよくしてくはひにんとなる

「苺平甘く毒なし脾胃によし女食して懐妊となる」ということだが、まず、イチゴが普通に手に入るものであったのか、というあたり。「平」は、とりわけ毒でも薬でもないという意味らしいが「脾胃によし」というものなのか。「懐妊」はいささかおどろく。

蒜(にんにく)をひさしくこのみしよくするなはいかんやふれたんをしやうずる

「蒜を久しく好み食するな肺肝破れ痰を生うずる」。食べすぎはよくないと思うが、胃腸ではなく「肺肝」に影響があると言っている。

鮭こそは身をあたゝめてきりよくますおほくくいてはしゆもつ生(しやう)ずる

「鮭こそは身を温めて気力増す多く食いては腫物生ずる」。食べすぎはよくないと言っている。当時の鮭はどうしていたのだろう。輸送や保存を考えれば塩蔵ものになるだろうから、あるいは塩分のとりすぎか。

現代の感覚からすると、何の関係があるのか?と思うものがあったりするが、当時の食生活なども垣間見られるあたりは面白い。
錬金術と近代の化学・物理学、本草学と近代の植物学や医学のつながりというのは、おりおり振り返ってみると、人間の思い込みみたいなものが対象化されたりする。当時のもうすこし専門的な書物にはどう書かれていたおんか……というようなところに踏み込むと、なかなか奥は深そうだ。検索をしてゆくと、そういうことを研究している人もいらっしゃるだろう。

岡部史です、こんにちは。
先回、マリンライナーで高松入りしたところまで書きました。
今回はその続きです。高松を訪れるのは七、八年ぶりの二度目。

駅前が、ガラリ、と変わっていて驚きました。素晴らしい駅ビルができていて。
変わっていないのは、うどん人気ですね!

 

駅前のうどん屋さん、お昼が近づくにつれ、列が長くなっていきます。
私も実は、このあと列の後ろに並びました。どんなに長くても、
待たされる時間はそれほど長くないのです。うどん屋さんの手際よさは
圧倒的で、次々にうどんを温め、具を載せていって・・・。

お客の方も心得ていて、長居する人は少ないですね。
私はここで二度、昼食を摂りました。二度目では少し目先の異なる
うどんを注文しようとしたら「それは汁が少ないタイプ。いいですか?」と
確認され、慌てて変更することに。好みを見破られていた? それとも・・・。

 洗礼名イグナチウスの髭の濃さ讃岐うどんを食いおり今日も
               秋場葉子「塔 2003年3月号」

第16回塔新人賞・塔短歌会賞は、
選考の結果、下記の通りに決定いたしました。

塔新人賞
受賞:「篝火を眼に」永井駿
次席:「ぬるいシャボン」深影コトハ
次席:「シマちゃん」真栄城玄太
塔短歌会賞
受賞:「幾億の花芽」松本志李
次席:「米を貪る」田宮智美

みなさまおめでとうございます。
受賞作/次席作/候補作と選考座談会は4月号に掲載します。

全国大会の詳細が発表されて、「塔」の巻末にも振込用紙が綴じ込まれました。
注意書きをよくお読みになって、各種手続きの締切に遅れないようにいたしましょう。

書いてあるとおり、振込用紙は会費ではなくて全国大会用。
会費はまた5月とか11月に用紙が挟みこまれます。

ところで、会費のほう。ときどきこの場でもご注意とかお願いとかがあるわけですが、
こんな歌をみつけたので紹介しておきます。

督促をせぬうちは社費を送り来(こ)ぬ年重なれりこやつ歌詠みか/山本友一『花蔵』

短歌結社、団体によっては「社」を使うところもけっこうあります。作者は「地中海」の責任ある立場だったはず。

どうしてもルーズになってしまうという方はいらっしゃるわけですが、そのたびに事務方のみなさんの手を煩わせ、精神的にもなかなかに重荷を増やすことになります。
退会するからもう知らん ではないのですよ。やめるならやめるなりに、連絡をするようにしてください。

さて、山本友一の歌を見つけて嘆息していたら、
きょうはこんな歌に出会いました。

ハイラルの雪野馳けると思ひきや會費請求の端書をわれ書きし/橋本徳壽『赤帝』

「山口幸安戰死」5首中の3首め。少し前に「滿洲事變」の一連があって、「宜戰詔勅つひに下らざる戰に失せし百千のつはものはや」とか、事態への戸惑いなのか、「軍部の暴走」への疑問というのではないかもしれないけれど当時の認識が滲むのが興味深いところ。歌誌「青垣」発行にかかわる印刷工が出征して帰ってこないということも詞書に触れられる。

そしてついに、歌友の戦死という事態に直面することになる。
たまたま会費請求のはがきを出したところだった。

いろんな事情のところに、知らず督促をすることもあるわけですが。
 
ともかく、みなさんご協力をお願いします。

※会員外のみなさまのシンポジウム観覧のお申し込みは、4月中旬以降に開始する予定です。ご予定を確保の上、今しばらくお待ちいただきますようお願いいたします。

 みなさまいかがお過ごしでしょうか。
 塔短歌会全国大会事務局の千葉優作です。
 さて、塔2月号の裏表紙には、今年の5月30日(土)・31日(日)に島根県松江市で開催される、全国大会のご案内が掲載されております。
 大会1日目には、第58回迢空賞受賞者である吉川宏志と、第59回迢空賞受賞者である花山多佳子の「迢空賞コンビ」による対談に加え、「わたしたちの第一歌集 ―時代と社会の中で―」と題し、澤村斉美・田村穂隆・真中朋久・宮地しもんの四氏による座談会を予定しているところです。また、大会2日目には、分科会形式での歌会を企画しております。
 今年も充実のプログラムにて皆様のご参加をお待ちしております。
 塔会員のみなさまにおかれましては、万障お繰り合わせの上、奮ってご参加いただきますよう、どうぞよろしくお願いいたします。
 2月号裏表紙のご案内を熟読の上、本記事下部のリンクよりお申込みいただけますと幸いです。

■参加の申込みは3月25日必着! 参加費払込は4月24日まで!■

■日 時   2026年5月30日(土)~31日(日)
■場 所   両日ともホテル一畑(島根県松江市千鳥町30)
■宿 泊   各自で宿泊の手配をお願いします。(塔では斡旋しません)
■プログラム 大会テーマ「歌集、この小宇宙の探索のために」

5月30日(土)【一般公開プログラム】
13:30~14:00 受付
14:00~14:05 開会のことば 吉川宏志
14:05~15:15 対談 吉川宏志×花山多佳子
15:30~16:50 座談会「わたしたちの第一歌集 ―時代と社会の中で―」澤村斉美(司会)・田村穂隆・真中朋久・宮地しもん
16:50~17:00 閉会のことば 永田和宏

18:00~20:00 懇親会【会員のみ】

5月31日(日)【会員のみ】
08:30~09:00 受付
09:00~12:00 分科会形式での歌会
12:15~13:00 受賞作品の発表・表彰

■参加費等
(A)1日目シンポジウム:2,000円
(B)1日目懇親会   :13,000円
(C)2日目歌会    :3,000円

※上記(A)~(C)の中から希望するプログラムを全て選択してください。
例1)1日目シンポジウム及び懇親会、2日目歌会に参加の場合
……(A)+(B)+(C)=2,000円+13,000円+3,000円=18,000円
例2)1日目シンポジウム、2日目歌会のみ参加する場合
……(A)+(C)=2,000円+3,000円=5,000円
※学生会員の方は学生証提示により懇親会費を半額(6,500円)とします。ぜひご参加ください!
※初日の一般公開プログラムおよび2日目の歌会では、要約筆記(聴覚に障がいのある方向けに、話の内容をその場で要約して筆記し、文字で伝えること)を実施する予定です。
※幼いお子様のための託児を準備する予定です。お子様とご一緒にご参加ください!
オプショナルツアーを計画しています。詳細は「塔のひろば」(ピンクのページ)をご参照ください!

■参加申込み
① 参加申込みは可能な限りQRコードもしくは本記事下部のリンクからお願いします。
【重要!】特にボランティア、要約筆記、その他要望等がある方は、事務局からメールにて連絡する場合がありますので、できるだけQRコード等からお申し込みください。また、海外在住の会員で参加を希望される方は、事前に「塔のひろば」掲載の全国大会事務局メールアドレスまでご一報ください
② 挟み込みの振込用紙(全国大会専用)を用いて4/24までに「ゆうちょ銀行」にて各自が参加費を振り込んでください。開催5日前を過ぎてのキャンセル・変更には応じられないことがあります。
・申込み下さった方には、5月中旬以降に詠草集と大会についてのご連絡をお送りします。
・全国大会で歌集等を販売したい方は、スペースを設けますので、見本誌としての一冊をお持ちください。販売係は置かず、申込み用紙によって注文する形式にします。
・大会当日の受付等のスタッフ(ボランティア)として力を貸していただける方を募集します。

■問い合わせ
連絡先については、「塔のひろば」をご参照ください。

■参加申込はこちらから
https://forms.gle/Dqpbm2iXHDcL8eyU6
※詠草一首のご準備を! 「認証番号」は「塔のひろば」を確認!

岡部史です、こんにちは。

昨年の十一月一日に高松市で行われた四国歌会に、
選者として参加してきました。我が家からは新横浜駅が便利なので、
電車を乗り継いで出かけることにしました。岡山まで新幹線、そして
マリンライナーに乗り換えて高松へ。瀬戸大橋からの瀬戸内海の景色を
楽しみにしていたのですが・・・。

外は激しい雨で、何も見えず(私、雨女です)。切符をそばに置いて、
ため息。ちなみに、我が家からは往復割で買えたのですが、この制度も
もうすぐ廃止されるみたいです。
快速マリンライナーは特急券は要らないのですね。それも知らず、
券売機の前で、ちょっとあたふたしたりもしましたが。

無事高松駅に着きました。マリンライナー、かっこいいです。  

都よりしおかぜ号で帰り来てああふるさとのまだらな灯り
             紺屋四郎『空行くような』

岡山から愛媛方面に行くには、しおかぜ号を使うのですね。覚えておこう。

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