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アーカイブ "2024年"

気がつけば、今年もあと残り僅か。
先週は、京都合同忘年歌会&忘年会があり、私も参加してきました。
歌会参加は約50名!
忘年歌会にこの人数が集まったのは、久しぶりの気がします。
選者も6名参加されて、なかなか豪華な歌会でした。
なにより、初めましての方、お久しぶりですの方にお会いできて、いろいろお話できたのがうれしかったです。

さて、「年の瀬」や「忘年歌会」とは何の関係もないのですが(苦笑)
最近私が「つい買ってしまうもの」の一つが、インド刺繍リボンです。

この「インド刺繍リボン」は、最近の手芸界での流行の一つで、少し大きめの手芸店に行くと、色・柄・大きさもさまざまなリボンがかなりの数並んでいます。
とてもきれいなものばかりなので、私なんかはそれを眺めているだけでワクワクして、どれもほしくなってしまいます。
「今日は3本だけ買う!」と決めていても、さてどれを買うのか、ものすごく迷うんですよ、これが。
上記は、そうして散々迷った挙げ句選んで買った、我が家にお越しになったリボンたちです。

買うときは、使途を特に決めずに買うことがほとんどなので、家で眺めながら何を作るか考えます。
で、最近作ったのが、これらです。

上のポーチはすぐお分かりになるかと思いますが、下の3つ並んでいるのは、携帯用ゴミ袋のケースです。
このゴミ袋自体は百均で3個100円などで売っているもので(右下に写っているロール状のものがそれ)、これを入れて、下に開けてある穴から引き出して使います。
ゴミ袋って、鞄の隅に入れておいたら便利だと分かっていても、何かいつの間にかくしゃくしゃになってしまい、いざ使おうとしたら目も当てられない状態になっていた、なんてこともしばしばです(少なくとも私は)。
それで、あちこちを参照しながら、こんなものを作ってみたというわけです。
ただの無地の生地に縫い付けただけですが、結構いい感じになった! と一人喜んでおります。

年末年始、また何か作ってみようかな…

第8回社員総会&シンポジウムのお知らせ

□ 日 時 2025年1月12日(日)  13:00~16:30
□ 場 所 オフィス東京
東京都中央区京橋1丁目6-8  T3会議室
( 東京駅八重洲口より徒歩約7分 )
□ 資料代   500円

□ 13時から14時    「一般社団法人塔短歌会」社員総会 (社員のみ)

□ 14時から16時30分  シンポジウム (どなたでも参加できます)

□ 講 演  「青春のアララギ―昭和短歌の確立 戦後最盛期の選者たち 」
        雁部貞夫先生(「新アララギ」代表・選者)

□ 鼎 談  「2024年の歌集を読む」

■梶原さい子 取り上げる歌集
西村美智子 『瞬の間に』       青磁社
門脇篤史  『自傾』         現代短歌社
古志香   『Banksia バンクシア』 本阿弥書店

■宮地しもん 取り上げる歌集
金田光世 『遠浅の空』        青磁社
小田桐夕 『ドッグイヤー』      六花書林
渡辺松男 『時間の神の蝸牛』     書肆侃侃房

■松本志李 取り上げる歌集
椛沢知世 『あおむけの踊り場であおむけ』 書肆侃侃房
小俵鱚太 『レテ/移動祝祭日』    書肆侃侃房
久永草太 『命の部首』        本阿弥書店

第8回社員総会 広告

「塔」を発行するには、割付という作業が必要になります。
大雑把に言って、どの記事を何ページから何ページに載せるのか、を決めていく作業です。
「塔」でもっとも大事なページの一つは、言う間でもなく選歌欄ですが(みなさんの詠草が載る欄ですね)、ここの割付のためには、その前提作業として、各選歌欄ごとに行数をひたすら数えて、その行数からページ数を割り出す作業が必要になります。

というわけで、割付作業の前半では、この「行数を数える→ページ数を割り出す」を数人の編集委員が黙々と行っております。
みなさまの詠草が選歌欄ごとに束になっているのを手に取り、1枚1枚めくりながら、延々と足し算を繰り返します。
(余談ですが、この作業時、私には指サックが必需品です!)

ところが、このときに、詠草用紙の大きさが揃っていないとひどく数えづらく、また数え終わった後に揃えづらいのです。

 詠草用紙は毎月の『塔』に綴じ込まれたものを使ってください
 HPからダウンロードしたものをA4用紙にプリントアウトして用いてもよいですが、必ず下のキリトリ線で切ってください

と口うるさく注意喚起しているのは、このためです。
選者の方からも「詠草用紙の大きさが揃っていないと、やりづらい」と聞いたことがあります。

前置きが長くなりましたが、ここからが本題です。
先月割付作業を行っていたところ、明らかに規定の詠草用紙より小さい(短い)ものがありました。
それも、同じ選歌欄の中に2枚も。
よく見ると、HPのトップの「詠草用紙」のところからダウンロードしたものをプリントアウトしたとおぼしきものです。
でも、A4用紙に印刷して「キリトリ線」で切ったら、規定の詠草用紙と同じ大きさになるはずなのに、なぜ?
(ちなみに、2枚ともきちんとカットはなされていました。)

しばし考えて、ハッと気づきました。
おそらく100%の大きさでプリントアウトされず、少し縮小されてしまっていたのです!
そこで、私が自宅で検証してみたところ、プリントアウトの際に「実際のサイズ」や「(倍率を)規定」などにしないと、本来の大きさより小さく印刷されてしまうことが分かりました。
おそらくデフォルトが「(サイズを)合わせる」などになっている場合、そのまま印刷してしまうと、上記現象が起こるようです。

左がPDFファイルを「合わせる」で印刷したもの、右が規定の詠草用紙です。
よく見ると、左の方の「キリトリ線」の位置が、規定の用紙の下端よりも5㎜ほど短くなっているのがお分かりでしょうか。
このまま「キリトリ線」で切ってしまうと、上述のように規定より小さくなってしまうわけです。
ささいな違いと思われるかもしれませんが、選歌、割付、印刷会社、校正などの様々な場で、この「大きさが揃っていないこと」が作業効率を悪くしてしまうので、実はとても大切なことなのです。

会員の方の中には、書き損じその他の理由で、お手元に規定の詠草用紙がない場合に、このダウンロードしたPDFファイルを印刷して使っておられる方も多いと思いますが、投函(塔函?)する前に、今一度用紙の大きさに気をつけていただくと、大変ありがたいです。

そして、詠草の締切は毎月20日必着! 絶対に守ってください。
必ず普通郵便で。
そして、普通郵便は思いの外時間がかかることも多いですから、5日は余裕を持って、できれば1週間ほど前には投函(塔函!)するようにお願いします。
ん? 1週間前だと13日? って明日ですよね!
…というわけで、私も明日塔函予定です。
みなさまもお早めに。

こんにちは、小川和恵です。

先週、このブログで岡部史さんが 街歩き・札幌 という記事を書いておられましたが、その1枚目の自動販売機の写真に大変驚いてしまいました。

というのは

これは私の地元近く〈住道〉のもの

これは毎週のように行っている〈難波〉のもの

記憶が定かではありませんが、どちらもかなり前から設置されているもので、私にはとても見慣れたものでした。
少なくとも〈住道〉のものは、10年か15年くらい前からはあるのではないでしょうか。
(そしておそらく、〈難波〉のものも同じくらい前からあるような気がする)
なので、岡部さんが札幌で遭遇されたということに、本当にびっくりしたのです。
勝手に近畿圏だけのものではないかと思っていたので。

むかーし聞いた話では、この自販機は大阪府下でも3箇所だか4箇所くらいしかないということでした。
そのうちの1つがよく見る〈住道〉のもので、もう1つがやはりよく見る〈難波〉のものだということが、なんだか不思議な感じがしていました。
これを書くために調べてみたところ、今では大阪府下だけでも相当数あること、そして確かに全国展開であることが分かりましたが。

この自販機の下の方に

 Do not drink. This is a soup stock.

と書いてあるのも、なんだか笑ってしまいます。

で、その10年だか15年だか前からずーっと気にはなりつつ、実は一度も購入したことがないんですよね…
一度試してみたいとは思っているのですが。

ちなみに「私の地元近く」と書いた〈住道〉って、なんと読むと思いますか?
知らない人は、まず一発では読めないと思います。

正解は
 ↓
 ↓
 ↓

 すみのどう

でした。
この「住道駅」がある学研都市線(片町線)は、何気に難読駅名が多いんですよ!
興味がある方は、調べてみてください。


京都合同忘年歌会
京都歌会・京都旧月歌会・京都平日歌会の合同の忘年歌会を下記の通り開催します。
懇親会も行います。皆さんふるってご参加下さい。
*上記三歌会以外の方もご参加下さい!!
(詠草〆切が12月6日となっております。ご注意下さい。)

【日時】12月21日(土)13時~17時(終了後、懇親会あり)
【歌会会場】京都教育文化センター
      *京阪電車「神宮丸太町」駅5番出口から徒歩3分
【懇親会会場】池田屋 はなの舞 三条駅店
      *京阪電車「三条京阪」駅7番出口から徒歩5分
【会費】歌会は無料。懇親会は4000円~5000円(予定)
【申込】詠草1首をメールかはがきで12月6日(金)24時までにお送り下さい。
    懇親会の参加/不参加も明記して下さい。
【宛先・問い合わせ先】〒611-0028 宇治市南陵町1-1-142 川本千栄
メール EZS01212@nifty.ne.jp

今朝の朝日新聞一面の「天声人語」は、織物の魅力に
取りつかれるきっかけになったのが、四半世紀前にフィリピンの
ピーニャという布の織手を訪ねたことだった、とのエピソードで
始まっている。ピーニャ! 私にも懐かしい言葉である。

もう六十年も前のことになるが、中学に入学したばかりの頃、
父が一か月近く、仕事でフィリピンに出かけた。お土産に
数十枚もの、スカーフやハンカチを購入してきた。透き通るほど薄く、
光沢がある。いずれも南国を思わせる風物の刺繍が、手作業で
施されていた。父は広げて見せてくれて、
「パイナップルの葉の繊維から作られているんだ」と教えてくれた。

私も一枚欲しい、と思った。でも父は周囲の知人や親族にお土産として
渡しながら、私と妹には一枚もくれなかった。普段どこに行っても
お土産があったので、私には不思議なことだった。

五年前に父が亡くなり、やがて母も施設に入り、実家を整理していたら、
あの懐かしいピーニャのスカーフが一枚だけ出てきた。

今手にとって見ると、本当に薄く、実用品としてはどうなのか、
と思ってしまう。父も子供には不要なもの、として最初から
私たちに渡すつもりはなかったのだろう。父が亡くなって、
ようやく自分のものになったこのスカーフを、私は大切にしている。
必要なものはもう、自分で何でも買えるようにはなったけれど。 

膝の上にひろげむとして泳ぎ出す金魚の刺繍のストールを買ふ
               栗木京子『けむり水晶』

ピーニャは今ではとても入手しにくくなっているらしいし。

10月中旬に訪れた、札幌でのエピソードを、もう少し。
歌会の日の午前中は時間があったので、少し市内を散歩しました。
真っ先に目に飛び込んできたのは、不思議な自販機。私は自販機、
というと、お茶くらいしか買ったことはなく。 

自販機で買った緑茶がへこんでるゴールデンウィーク最終日
                逢坂みずき『昇華』

あの、ゴロゴロ、ドスン、という独特の音が聞こえそうな歌ですね。
ところが、札幌の街角で見た自販機は何を売っていたかというと、

料理用の調味料らしいのです。ここは札幌駅にも近い、ホテルやオフィスや、
居酒屋などが並ぶ、いわば繁華街。コンビニも近くに何軒も。それなのに、
どうして、お出しの自販機があるの!? 誰が買うの!? と訊きたい!

首を振りながら、さらに少し歩を進めると、ホテルの前に不思議なオブジェが。
とよく見ると、だるまストーブ?の一種のようでした。そういえば、これに近い
(こんなに立派じゃない)石炭ストーブ、私の通った田舎の小学校で使ってたような。

更に歩くと、かの狸小路に辿り着きました。アーケード商店街です。すると、
あちこちに狸の像が置いてあるのに気が付きました。中には、ちょっと驚きの
迫力を備えたものも・・・。

この商店街で、昼食を摂りました。もちろん、札幌ラーメンでございます。

先日、目白の椿山荘で開かれた、大学の同期会に参加してきました。
卒業十年ごとに開かれていたらしいのですが、一度も参加しておらず。
これからの参加もないだろう、と思っていたのですが。今夏、身近の
親族を失ってから、心境に変化がありまして。

椿山荘に行くのも初めて。ついでに、長いこと一度行ってみたい、と
思っていた、聖カテドラル教会を訪れてみることにしました。この教会は
丹下健三の代表的な建築物として有名なのですが・・・。

そそり立つ塔のような建物で、私の撮影技量では、なんとも捉えがたく、
間の抜けた写真しか撮れませんでしたデス。私がこの教会のことを
長く心に留めていた理由は、実は歌手ユーミンのある楽曲のせいです。
76年3月発売の「翳りゆく部屋」。バロック調の印象的なイントロは、
松任谷正隆がこのカテドラル教会のパイプオルガンの演奏による、
と後に購入したYUMING SINGLESの解説で知ったからです。

 話すことなどとっくにつきた高速で窓から漏れる夜風を聞いた
                 初夏みどり「塔十月号」

この作品に、永田和宏氏が選歌後記で「ユーミンの『中央フリーウエイ』がふと
過ぎる・・・」とコメントされていて、思わず笑いました。ユーミンが創出した
多くの楽曲と楽曲の描き出す映像を、我々同世代は共有している、と改めて思い。

敷地の隅に、フランスのルルドの洞窟が実物大で再現されていて、
こちらはそれなりにうまく撮れました。

高校に入学したばかりの頃、北海道に移り住んだ親族から、
10枚組くらいの絵葉書セットを贈られた記憶があります。道内各地の
観光地の絵葉書一枚ずつに、啄木の歌が添えられた絵葉書でした。
私は当時、啄木というと「ちょっと情けない歌を詠む人」という印象で、
好きではなかったのですが、その何首かに強く惹かれた記憶があります。
 

しらしらと氷かがやき/千鳥なく/釧路の海の冬の月かな
 さいはての駅に下り立ち/雪あかり/さびしき町にあゆみ入りにき
 みぞれ降る/石狩の野の汽車に読みし/ツルゲエネフの物語かな
                        石川啄木

特に好きだったのが
 

函館の青柳町こそかなしけれ/友の恋歌/矢ぐるまの花
                        石川啄木

で、この歌になぜ惹かれるのか、と考え込んだ記憶もあるのですが。
それで自分でも詠んでみようとは、ならなかったので、絵葉書の美しさ
などの印象の方大きく作用していたのか、と思うのですが。

こんな昔のことを思い出したのは、札幌の大通を散策し、啄木の歌碑に
出会ったからでした。

この歌碑の歌は 
 

しんとして幅広き街の/秋の夜の/玉蜀黍の焼くるにほひよ
                      石川啄木

そして少し歩くと、絵葉書で見たと同じ景色が目に飛び込んできて・・・。
まさに啄木の歌とセットで覚えていた景色でした。

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