ブログ

アーカイブ "2016年03月"

写真

少し意外な感じもするが、明治・大正、昭和戦前の歌集の中に「ソメイヨシノ」や「染井吉野」は少ない。少ないというより、見つけることができなかった。

植栽されるものとしては明治期からソメイヨシノがポピュラーであったから、「桜」の歌のうち、ある程度のものはソメイヨシノのことであるだろうけれど、それと意識して歌われていない。

土屋文明『自流泉』(1953年)には、こんな作品がある。昭和22年(1947年)ごろの作品。

染井桜みにくき幹の老いざれてなほこの年の花をかざすか
憎しまむ染井桜の老いし中吾は寄る匂ふ山桜の紅(あけ)のもと

ここで「染井桜」というのは、ソメイヨシノと考えてよいだろう。

かわいそうに。相当に嫌われている。
贔屓の山桜に対して、「憎しまむ」とまで言われている。

かく言う私も、ソメイヨシノは好きになれない。うわっと咲いて散ってゆく慌ただしさのせいなのか、年度替わりの慌ただしさを追い立てるように開花したとかもう散ったとかいう話になるからか。

ポピュラーになったのは明治期だが、ほんとうにどこに行ってもソメイヨシノだらけになったのは戦後のことであるらしい。
そうであれば、好きも嫌いも戦後のこと。ソメイヨシノというのは戦後的な風景なのだろう。

神のパズル

大口玲子著『神のパズル』(すいれん舎)の刊行を記念して、大口玲子さん×吉川宏志さんのトークイベント「時代の危機に向き合う歌人」が、大阪と東京でそれぞれ行われます。

日時:2016年04月09日(土)15:00 ~
場所:ジュンク堂書店大阪本店3階喫茶コーナー
定員:先着30名(要整理券)
http://www.junkudo.co.jp/mj/store/event_detail.php?fair_id=11751

日時:2016年4月16日(土) 14:00開演/13:45開場
会場:紀伊國屋書店新宿本店8階イベントスペース
定員:40名
参加料:1000円
https://www.kinokuniya.co.jp/c/store/Shinjuku-Main-Store/20160328100010.html

机辺の仕事が行き詰まったり、一段落したりしたときには、ひとまわり走ってくる。夜は街灯のあるところだが、昼は川べりのコースが気持ち良い。

土手が華やか。

これはセイヨウカラシナか。

「セイヨウカラシナ」を、はっきり種名で詠みこんでいる作品は、案外少ない。探せばもっとあるのだろうけれど、私の手控えの中には3首。

川沿いにセイヨウカラシナ陽を溜めて黄を咲かせいる去年よりも殖ゆ/永田淳『湖をさがす』

俺の名を忘れたのかよ振り向けば川岸にどっとセイヨウカラシナ/前田康子『黄あやめの頃』

この岸もむかうの岸も黄に灯し西洋芥子菜まつりのごとし/喜夛隆子『国原の地図』

photo2

ところで、本当にこれはセイヨウカラシナか……と思って調べてみると、そんなに簡単なものではない。河川敷などに自生しているものは、主としてセイヨウカラシナとセイヨウアブラナだが、交雑もするからややこしい。

今日のこの一群の中にもいろいろあった。

花が房状にかたまっているのはアブラナ寄りの属性なのだとか。

photo1

まだ朝晩は霜が降る山間地のわが家ですが、
まもなく春の大感謝祭★絶賛あれこれ開花中!の予感。
椿、梅の盛りの後に桜、杏、スモモ、大山蓮花、
赤い木瓜の花に大手毬、木蓮、辛夷、カイドウ、卯の花、
花桃、色とりどりのツツジ、花水木などなど続いてきっと賑やか。

OLYMPUS DIGITAL CAMERA

(まだ若いスモモの樹、枝の方が力強い)

雪の時期にはいちめん水墨画の世界になる杉山に、
悩ましいほどの色彩や新緑の息吹が充ちる。春めこう。

OLYMPUS DIGITAL CAMERA

(3D山水画…でもこの冬の雪は少なめでした)

 

  P1050006

西田和平さんが共同編集発行人を務める短歌と俳句の文学誌
「We」の創刊号が出ました。
年に2回、3月下旬と9月下旬に発行するとのこと。

創刊号の短歌には、

・鈴木晴香「街の地下」20首
・浅野大輝「glider」10首
・大橋春人(大木はち)「神鳴り」10首
・北辻千展「自選十首」
・弟子丸直美「「ドッコイ」生きて」10首
・長月優「ここがはじまり」10首
・西田和平「んー」10首
・芳樹景子「風立ちぬ」10首
・守永慶吾「鳥インフルエンザ」10首

などが載っています。
購読のお申込み方法等は、西田さんのブログに載っています。
http://blogs.yahoo.co.jp/webtankakai/55826308.html

ベージュのしいくんは歯が腫れていてご機嫌ななめ。

(おかんが安売りの硬いもんばっかし食わすからじゃ)

ゆううつでんなあ

ゆううつでんなあ

黒のここちゃんは二度の耳血腫を経て餃子耳になった。

(おかんわたしの耳見たら「あれよ肉巻いてもうてるやん」言うねん…)

OLYMPUS DIGITAL CAMERA

肉巻いてへんでっ

ともに人間で言うとそろそろ七十代。いろいろガタがきますわな。連投御免!

杏の花が咲きました。桃の花に似ています。ぽ。

ドライフルーツにしてがばがば儲けよう、と

植えましたが、実るとよってたかって虫食い放題。

…花を楽しむことにする。

あんちゃん

あんちゃん

桜はもうちょい。もやもや中。暖冬でした。

さくら

さくら

IMG_20160320_124820_651

3連休、あっという間でした。
土曜日は編集企画会議。現在私が下案を作っている
「塔」ハンドブック(仮:会員向けのもの)のことなどを話し合いました。
原稿作成から会費の納入方法まで、「塔」会員の皆さんから
質問をいただくことの多い事項について
簡単に内容をまとめたもので活用いただくことができればと考えています。
写真は、日曜日の再校校正作業前の
永田家の庭の写真です。もう春は、そこまで来ています。

 本日。奇数月の第2日曜は、仙台歌会です。
 鳥取から、池本一郎さんがいらして、10名で。

 池本さんは、おとといから、盛岡、花巻、遠野、北上などをまわってこられたのこと。
 北上市の詩歌文学館に、池本さんの作品が展示されていたのも、ご覧になったそうです。
 (「いまを生きる詩歌」の展示。今日まで、でしたでしょうか? そして、大森静佳さんの作品もでした!)

   取れるだけ取る稀有のこと月下にて我が田に水を引くうれしさは  
                          池本一郎『草立』

 私は先月、北上に行きましたので、そのときに拝見。

 さて、歌会ですが、今日も、歌会は良いなあという思いで帰ってきました。
 人数が少なかったこともあり、1首ずつに、なおさらじっくりと向き合えました。

 2016-03-13-22-03-48_deco

 そして、懇親会。

 外に出たら、あたたかかったです。
 もう、春ですね~

   不精なるべろべろの顔かきまわしさっとあしたの流しに捨てる  
                         池本一郎『未明の翼』

   見届けてみたい気がした鉄棒に手をかけて夕日見ている一人      
                              『萱鳴り』

ページトップへ