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今日の新聞に文藝春秋社の広告があって、そこに『たとへば君 四十年の恋歌』が載っていた。ハッと思ったのは、河野裕子に「かわのゆうこ」とふりがなが振ってあること。永田和宏には付いていない。
考えてみればもっともな話で、短歌の世界では「河野裕子=かわのゆうこ」は常識であるが、一般的にはそうではないだろう。「河野」は「かわの」とも読むし「こうの」とも読む。「塔」でも河野美砂子さんは「こうの」だし、歌人の河野愛子も「こうの」である。
同じように「裕子」も「ゆうこ」とも「ひろこ」とも読めるのであって、やはり初めて知る人にはふりがなが必要なのだ。そんな些細なことに気が付いて、おもしろく思ったのであった。
  気まぐれに電話してくるこの人は三十年経つてもこうのさんと呼ぶ
                  河野裕子『母系』

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  • 永田淳 より:

    書店さんからの問合せで「コウノヒロコさんの歌集ハハケイを…」ってのがよくあります。「コウノヒロコ」はまぁ、しょうがないとして「ハハケイ」はないだろう、と。あ、もちろん『母系』のことです。
    そんな間違いで秀逸だったのが、これも書店さんで「コウアンコクセシュウカカンショウ」ってのがありました。初めはなんかの間違いか、と思いましたが『高安国世秀歌鑑賞』でした…

  • さとうなみこ より:

     そのむかし入会したてのころでした。裕子先生の短歌研究授賞式に出たときのこと。某審査委員長が賞状を読み上げたら「コウノユウコ」でした。
    裕子先生は笑っておられましたが。私たちはこんな場面で名前は間違えないでほしいと思ったことでした。同じ業界の人なんだから、、、。

  • 松村正直 より:

    名字のランキングを見ると、全国的には「河野(こうの)」の方が「河野(かわの)」より多いですね。ただし、九州に限ると「かわの」の方が多いようです。

  • おがわかずえ より:

    今までに何人もの「裕子」さんに出会いました。
    「ゆうこ」さんの方が多かったですが、中には「ひろこ」さんもいらっしゃいました。
    あまり関係ありませんが「裕美」さんも、「ひろみ」さんと「ゆみ」さんがいたなぁ、と思い出しました。

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