箔押所
近所の「箔押所」。
書物の奥付に、著者と発行者(出版社)、印刷所、たまに製本所ぐらいまでは出ているが、印刷・製本にはいろいろな工程があって、特殊な工程などは専門の業者さんが引き受けているわけだ。
文字に箔を入れてゆくのも、おそらくそのひとつ。
設計図や報告書を綴じた少部数の報告書など、今でも「金文字黒表紙」が少なくない。歌集で、ちょっと凝った装幀のものなど、文字を押し込んでいたり、そこに箔を配したりしているものが、ときどきある。
辞書なども、皮の表紙のなど、タイトルが金色の箔押しというのは、ポケット版のものでも、実際以上の存在感があった。「箔がつく」とはこのこと。
・辞書の背の金文字ねむくなつかしいロンドンデリーの聞こえる夜に /永田紅『日輪』
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