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今日は、京都平日歌会を紹介(宣伝?)したいと思います。
本日、5月京都平日歌会が開催されましたので、その様子を。
みなさん、普段自分の行かない歌会がどういうものなのか、知る機会は案外少ないと思うので、書いてみようと思いました。

京都平日歌会は、毎月第4木曜日に、塔短歌会事務所に於いて開催されています。
事務所には24個しか椅子がなく(これ以上は物理的に入らない)、つまり24人がMAXです。
これは、机のない椅子だけの席も含めての数なので、机のある「いい席」は争奪戦です。
その結果、この歌会は開始30分以上前の段階で7~8割の人が既に着席している、という変な(!)歌会です。

その上、今日はなんと満席!24人きっかり出席!
聞くところによると、実は25人目、26人目に申し込まれた方もいて、泣く泣くお断りになったとか。
(こんなことは滅多にありませんが。)

歌会の前には選歌をします。
今回は一人4首選。
みなさん、詠草集を前にじっくり読んで、何度も読んで、一生懸命考えて選びます。
「選びたい歌が5つも、6つもあって、ああ困ったわぁ…」なんてことも、ときにはありますが、無情に4首に絞ります。

歌会の冒頭に、出席者が自分の選んだ歌の番号を発表します。
私なら「小川和恵です。○番、○番、○番、○番」といったように。
そして、出席者は予め配られている秘密兵器、じゃなかった一覧表にそれを書き込んでいきます。
全員が発表し終わると、こんな感じになります。

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(一番右の欄に記入された個人の氏名は消してあります)

どの歌に誰が票を入れたか、一目瞭然です。
怖いですね~!
ただ、ここで何票入ったとか、全然入らなかったとか、それはあまり重要ではありません。
それよりも
①「いい歌を選ぶぞ」という気持ちを持って、全ての詠草にしっかり向きあう時間をまず取る
②これを議論のきっかけにする
というところに意味があるのだと、私は思っています。

京都平日歌会では、票の多寡には関係なく、1番から順番に進めていきます。
概ね、まず票を入れた人に当てる(1~2人)→入れなかった人に当てる→自由に発言、といった進行になることが多いです。
歌会の最中は、こんな感じ。

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(なお、これらの写真に写っている方については、このブログに掲載する許可を得ています。)

ご覧になるとお分かりかと思いますが、結構狭くて、参加者の密集度がすごいです。
私は、この狭さ・密集具合が、京都平日歌会の特徴であり、いい所だと思っています。

まず、比較的意見が言いやすいのです。
それから、聞いている人の反応が伝わりやすいです。
ちょっとした表情の変化や、手の動き、頷きや首振り、それこそ息づかいさえも感じられるほどです。
そういった、参加者のダイレクトな反応を感じ取りながら発言し、また議論が進んで行く、それが「生きた批評」「生きた議論」につながりやすいのではないか、と感じています。
そういった議論の中で、歌がむくむくっと動いたり、大きくなったり、あっという間に位相を変えたり、そういった場面に立ち会うと「ああ、今日は歌会に来て本当によかった!」と思います。

京都平日歌会は、そういうことが起こりやすい歌会だと思います。
もの凄い大激論になることも、しばしばです。
また、最初は1~2票しか入っていなかった歌が、議論によってどんどん立ちあがっていって、「おお、実はこんなに素敵な歌やったんや!」となることもあります。
それは、本当に感動ですね。

今日は24首と、歌数も多かったのですが(いつもは20首前後が多いです)、司会の大地さんの巧みな進行もあって、きっかり16:00に終了しました。
3時間、びっしり歌会をして、とても充実した時間! 

で、終わった途端に疲れがどっと出て、お腹が減るのもいつものこと。
なので、終わった後は有志でお茶に行くのも恒例です。
短歌に関係あること、ないこと、みんなでしゃべりまくります。
こういった時間は、一見何でもない時間のように思えて、実はとても大切な時間ではないか、と思います。
そして「また来月も必ず来よう!」と決意して、家路に向かうのです。

近畿圏の方も、そうでない方も、ぜひ一度、京都平日歌会に起こしください。
お待ちしております。

小田桐夕 にコメントする コメントをキャンセル

  • 小田桐夕 より:

    歌会ではお世話になりました。
    お疲れさまでした。

    こんな感じの歌会や吟行の内容を教えてくれる記事があると
    初めての人でも来やすくなるかもしれないですね。

    • 小川和恵 より:

      小田桐さん、コメントありがとうございます。
      「初めての人でも来やすくなるかもしれない」と感じてくださったんですね!
      私も、歌会未経験の方や、普段特定の歌会にしかいかれない方にも、少しでも身近に感じていただければ、という思いもあって書いた記事なので、小田桐さんのような感想は、とてもうれしいです。

      また、歌会等でご一緒しましょうね。

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