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カテゴリー "川本千栄"

「塔」京都事務所では毎月の『塔』誌のバックナンバーを保存しています。

しかし、最近『塔』が分厚くなるにつれ複数冊保存するのが難しくなってきました。

そこで、これら予備の在庫を会員様にプレゼントしようということになりました。

送料は会員様から寄付していただいた切手を使います。

会員の皆様にご厚意を還元するという目的もあります。

『塔』10月号の会員ページで募集したところ、たくさんのご応募がありました。

先日11月の事務所開所日に抽選と発送作業を行いました。

今回プレゼントする号は2006(平成18)~2019(平成31令和1)のもの。

2014年12月まで表紙は藤田邦統画伯が担当されていました。

並べるととてもカラフル!

当日事務所に来て下さった会員様(ありがとうございます!)と一緒に

抽選し、間違いの無いように個人ごとに並べて

箱詰めor封筒詰めして、郵便局に運びました。

応募された方は楽しみにお待ちください。

残った号を再募集、また2006年以前の号もプレゼントする、など

まだまだ企画を考えておりますよ!!


『土屋文明歌集』角川文庫(昭和30)には
文明の自選三歌集、『放水路』『ゆづる葉の下』『山の間の霧』
が収録されています。

このそれぞれが2~3冊の歌集から自選したもので
目次を見れば、例えば

放水路
  ふゆくさより
  往還集より
  山谷集より

と、どの歌集から自選したのかが書いてあります。
(この目次は歌集に『 』が付いていません。
 よくある書き方なら『ふゆくさ』より、とかになりますね。)

この目次を見ていくと、一番最後に

  下水より

という一行があり驚きました。

下水って・・・。

土屋文明に『下水』なんて歌集あったっけ?
いや、誰であっても自分の歌集に『下水』なんてタイトルつける?

しばらく考えて分かりました。
これは、この文庫の数年前に出た歌集、
疎開先での戦中・戦後すぐの時期の歌を収録した
『山下水』のことなのです。
この頃は活版印刷なので活字が抜けることがあったんですね。

文明の疎開した家の庭には
山から引かれた清水が筧を伝って流れていました。
また、付近には澄んだ泉がたくさん湧いていました。

『山下水』はそうした澄んだ水に生命力をもらったことから
つけた歌集タイトルなのだと思います。

それが一字抜けたら「下水」。誤植、怖すぎる。

朝よひに真清水に採み山に採み養ふ命は来む時のため 土屋文明『山下水』

霜いくらか少き朝(あした)目に見えて増さる泉よ春待ち得たり 同

「塔」70周年記念の
マスキングテープの通販をいたします。
「塔」創刊者・高安国世の
「僕たちは短歌を愛して集つた。」
というロゴ入りです!
「塔」の表紙デザイナー野田和浩さんのデザインです。

黄色・緑 各300円です。
色味は写真と若干違う場合がありますので
その辺はお含みおきください。

送料は無料です!!
ただし振込料はご負担ください。
塔の振込用紙を同封させていただきますが、
ゆうちょダイレクトなどご都合のいい方法で
お払いいただいてもかまいません。

申込先
ezs01212☆nifty.ne.jp
(☆を@に変えて下さい。)

担当の川本までメールで申し込んでください。
その際
⓵必要な色と本数(例:黄色1と緑1 など)
⓶〒 住所 名前
⓷メールアドレス

をはっきりお書きください。
(⓷は連絡がある場合以外は使用しません。)

お申込み個数に制限はありません。
在庫は各色20個ほどです。
無くなり次第終了します。

お申込みお待ちしています!!

初めて塩野七生の作品を読んだのは中学生の頃だったと思います。
『ルネッサンスの女たち』『愛の年代記』『神の代理人』などを
夢中で読みました。
その後、高校、大学時代を通じて彼女の著作をわくわくして読んだものです。
『チェーザレ・ボルジア、あるいは優雅なる冷酷』
『わが友マキアヴェッリ』はずいぶん話題になりました。

就職してからはすっかり読書にかける時間が減ってしまい、
『海の都の物語』を読み通すのが大変だった記憶があります。
でも、これを読んでから訪れたヴェネツィアは最高でした。
その後も『コンスタンティノープルの陥落』
『ロードス島攻防記』『レパントの海戦』などを読みました。

大著『ローマ人の物語』が年1冊刊行されるようになると
しばらく追っかけていましたが、多忙になって、追っかけは中断。
このまま塩野七生を読了できないのかなと、ずっと漠然と思っていましたが、
数年前に決心して読書を再開。
1年に1~2冊ぐらいのペースでしたが『ローマ人の物語』を読了。
その後『ローマ亡き後の地中海世界』
『十字軍物語』と何とか時間を見つけて読み、
今年になって『皇帝フリードリッヒ二世の生涯』と
最後の大作『ギリシア人の物語』をついに読了。
今、七生ロスに浸っています。

エッセイなどいくつか読んでないものはあると思いますが、
著作のほぼ大半は何とか読んだのではないか、と。
「史書」でもなく「歴史小説」でもない。
史料をあげながら感想を述べていく、曰く「歴史エッセイ」。
塩野七生が拓いた分野ではないでしょうか。

狂信的で偏った正義を何より嫌い、
合理的でバランスの取れた知性の持ち主をとりわけ好んで描いた塩野。
一番のお気に入りはユリウス・カエサル(ジュリアス・シーザー)でしょう。
そして最後に描いたのがアレキサンドロス(アレキサンダー)大王。
永遠の青春を生きた若き大王の生涯を描き切って筆を置いたその偉業。

同時代に生れて塩野の著作を読めた幸福をかみしめています。

タキトゥスは記せり 蛮族ゲルマンはただ自分みづからだけに似る
                               香川ヒサ

もう一ヵ月近く前のことになってしまいましたが
文学フリマ京都に出店した「塔」のブースは大盛況でした。
ご協力、ご来店下さった皆様に御礼申し上げます。

写真は塔ブースの目印の旗です。会員様の手作り!

今回の文学フリマ京都の来場者は5000人超だったとのことです。
「塔」のブースを訪れて下さったお客さまの数は数えられていませんが
結局100冊弱の本が売れて、出店料など経費を差し引いても
「塔」にいくらか売り上げを収めることができました。

しかし!!
「塔」の文フリ参加は売り上げを得ることが主目的ではありません。

「塔」をご存知無い、でも文学や短歌に興味をお持ちの方に
「塔」の存在を知ってもらうことが第一の目標です。
そのため最新号である「塔」1月号を格安で販売、
さらに段ボール2箱分のバックナンバーを配布しました。
お陰様で1月号は完売、
バックナンバーも全部、興味のある方にお持ち帰りいただきました。

第二の目標は「塔」の歌集を読者に届けること。
作者にご協力いただいた歌集をお手に取りやすい価格で販売しています。
歌集を買うのは実は大変。
一般的な書店に置かれている数はまだまだ少ないです。
それでも短歌ブーム(?)のおかげか、
一部の書店では以前よりは歌集が置かれています。
でも、そういった書店の品揃えはどこもよく似ています。
文フリの「塔」ブースでは「塔」の歌人の歌集に特化して
よくある書店とはひと味違う歌集をお届けしています。
どれも自信をもってオススメできる歌集を
迷ったら2冊3冊と買えるお値段で販売しています。

ボランティアで来ていただいた方同士や
詩歌のエリアで出店している他の歌人の方との
交流も大きな楽しみです。
会員様のご協力で可愛い手作り小物も売ってます。

今年は参加できなかったあなた、
来年はぜひお越しください。
2026年1月18日(日)に「みやこメッセ」でお待ちしています!

約1か月前の2024年6月11日、アメリカの児童文学作家、
ルース・スタイルス・ガネットさんの訃報が伝えられました。
享年100歳とのこと。
とても驚きました。
驚きの一番大きな部分は、失礼ながら
「まだご存命だったんだ!」ということです。
何しろ私が従兄の本棚から『エルマーのぼうけん』を
もらって読んだのが小学生だった1970年代。昭和40年代です。
その時にも「これはかなり古いお話なのだな」と思いました。
挿し絵の冷蔵庫がとてもレトロなのでそう思ったのでしょう。
勝手に作者をとても昔の人と思っていました。

そして1990年代、就職してからですが、
『エルマーのぼうけん』がアニメ映画になり、
幼い姪っ子を連れて見に行きました。
原作に忠実ないい映画でした。
写真のパンフとキーホルダーはその時のものです。

子供時代に親しんだ児童文学には女性の書き手が多く、
古くは『若草物語』のオルコットから、『赤毛のアン』のモンゴメリ、
『長靴下のピッピ』のリンドグレーン、『ムギと王さま』のファージョン、
『ムーミン谷』のトーベ・ヤンソン(←これだけは大人になってから読んだ)
などの作品を楽しみました。
彼女たちはシリーズものを書くなど、結構多作です。

でもこのガネットさんは『エルマーのぼうけん』『エルマーとりゅう』
『エルマーと16ぴきのりゅう』の三作しか書かれなかったそう。
「お母さん」になるのが夢だったそうで、
7人の娘の母としての生活を大切に生きた、とのことです。

児童文学の作者からお母さんになり、さらに、お祖母さん、ひいお祖母さん、
として過ごされた100年間を想像しています。
ご冥福をお祈りします。

もうすぐ全国大会!
塔会員の皆様はもう申し込みはお済ですよね?
今年の塔全国大会2日目、一般公開プログラム
「現代短歌シンポジウムin京都2024」の
ゲストは超超超豪華!!

作家・町田康の講演
翻訳家ピーター・マクミランと吉川宏志の対談
映画監督是枝裕和と永田和宏の対談(敬称略)

これが2000円なんて、いいんでしょうか??

塔会員以外の方をお誘いするため、本日事務所開所日を利用して
有志の方々とDMを作成いたしました。
郵送には全国の会員の方から頂いた切手を使用させていただきました。

このチラシのデザインのカッコいいこと!!
塔の歌会にご参加の方、歌会で配布しますので
塔以外のお友達にお渡し、お誘い下さいませ。


JR京都駅から琵琶湖線で9分で大津に着きます。
大津駅からなだらかな坂を下って10分ほどで琵琶湖岸。
京都から大津はとても近いんです。
水が噴水のように出ているこれは何でしょう。
シドニーのオペラハウスみたい。(←行ったことないくせに)
この日は晴れていたかと思うと曇り、雪が降り、また晴れました。

みづうみの湿りを吸ひてどこまでも春の曇天膨れてゆけり 河野裕子『桜森』

母を知らぬわれに母無き五十年湖(うみ)に降る雪ふりながら消ゆ 
                        永田和宏『百万遍界隈』

翌日は奈良。近鉄急行で京都から一時間弱。こちらも近い。

現代歌人協会のイベントは伝統ある奈良ホテルで行われました。
やっぱり対面のイベントはいいですね。
色々勉強になる話を聞けるのはもちろん、
短歌を愛する人たちとたくさん会えたのもうれしい。
しかも会場が最高。近代建築大好き人間なので興奮!!

夜は東大寺二月堂のお水取りです。
関西在住なのに初めて見ました。
これはすごいですよ!!
奈良の歌人の皆様、ご案内いただきありがとうございます!

一泊して、翌朝はサクッと阿修羅像に会いに行って
猿沢の池を散策してから戻りました。
良い天気。
五重塔は補修工事中。
奈良公園では世界各国の老若男女が鹿と遊んでいました。

かすがのゝみくさ折りしきうふすしかのつのさへさやにてるつくよかも 
                        会津八一『南京新唱』
   猿沢池
わぎもこがきぬかけやなぎみまくほりいけをめぐりぬかさゝしながら


前回の投稿から数日を経て
ぐーんと膨らんだ白木蓮の蕾をお見せするつもりが…
大差無し。まだ早かったのかな。
これでも肉眼で見るとかなり白くなっているのですが。

ひかりつつ鳥のねむりのかたちして祈りのなかにハクモクレンは
                野田かおり『風を待つ日の』

目下のところ白木蓮の歌の中で一番好きなのはこれ。
現代短歌にはよく現れる白木蓮ですが、
近代短歌では少ないですね。

木蓮(もくれん)の花に降る雪はなびらにふれてはとけて雫(しづく)せりけり
かきくらし雪降(ふ)る中(なか)の木蓮の花は雪よりなほ白く見ゆ
                         岡麓『庭苔』

大正15年の歌集より。「木蓮の雪」7首の連作です。
木蓮、としか言ってないけど、二首目から白木蓮だと分かります。
なごり雪の中で咲く白木蓮。美しい歌ですね。

街にて不意に逢はむ日などを恋ふのみに白木蓮の花も畢(をは)りぬ
                  大西民子『不文の掟』

いや、写真と合ってないし。
でもとても悲しく美しい歌ですよね!!
決して不意に逢うことなんて無いんです。
待ち合わせて逢うことももう二度と無い。
分かっているんですよね。

白木蓮の写真が咲いて無さ過ぎなので白沈丁花の写真を置いておきますね。
わが家の白沈丁花。とてもいい香りがします。
木蓮も沈丁花も白が好き。

皆さん、確定申告は終えられましたか?
私は昨日やっと終えました。
年が明けてからずっと確定申告鬱っていうか
「やらなきゃ、やらなきゃ」
と思いながら取りかかれない。
学生の試験勉強のような状態が続いていました。
やれやれ、です。
まさか確定申告の歌なんか無いだろうと思っていましたが
次の歌はいかがでしょう。

税務署に届けに行かむ道すがら馬に逢ひたりあゝ馬のかほ 斎藤茂吉

道すがら白木蓮の花を見ました。
桜より白木蓮に春を感じます。
もう2~3日したらまた同じ樹を撮ってみます。
白木蓮の歌はその時に。

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