牝牛と牡牛(松村)
2月号に『池本一郎歌集』の書評を書き、その中に「講師席の近藤芳美肘つきて黒き牝牛のごとく座れる」という歌を引いた。第三歌集『藁の章』の一首である。
この歌について池本さんから連絡があって、「牝牛」は「牡牛」の誤植だということを知った。『池本一郎歌集』にある三つの間違いのうちの一つとのこと。
そう言われれば、近藤芳美は男性なのにどうして「牝牛」なのかと少し疑問に思ってはいたのである。ただ、「臨月に近き牝牛の坐せるごとビルは眠れる憎き充足」(『未明の翼』)
という歌もあるので、そのイメージかなと理解していたのであった。
いずれにせよ、正しくは
講師席の近藤芳美肘つきて黒き牡牛のごとく座れる
です。皆さん、どうぞお間違いのないように。
松村正直 にコメントする コメントをキャンセル