原ゆきこさん(松村)
山口県の原ゆきこさんが亡くなられたとの連絡がある。
1970年生まれというから私と同じ歳。
2006年入会の比較的新しい会員で、一度もお会いしたことはなかったが、誌上に載る作品には早くから注目していた。
いたずらな子犬の口に手を入れて「たけのこの里」ひとつ取り出す
(2007・9)
スーパーのバナナと牛乳買うあいだだれかがひらくわたしの雨傘
(2007・9)
ばぁちゃんが食べにきたんよ仏壇の熟れすぎている夕張メロン
(2008・10)
モルヒネのぬけたからだに銀杏(いちょう)降るねぇ、ねぇって呼んで
る誰か (2009・2)
いくつかの抗がん剤のカード減り残りは二枚どうする私
(2009・5)
吐き気から何も食べないときだって焼き芋だけはわれを動かす
(2009・5)
明るいユーモアは原さんの歌の持ち味だったが、それはがんの転移が見つかって以降の闘病の歌においても変わることはなかった。
内容は深刻なものであったけれど、決して暗くなかった。だから、いつかまた元気になられるのだろうと何となく思っていたのだ。
突然の訃報に、ご冥福をお祈りするばかりである。
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