十二月八日(松村)
数ヶ月前から「日付の入っている歌」を集めている。
一年365日すべての日の歌を集めてカレンダーにする(?)という無謀な計画を立てているのだが、前途多難。現在、ようやく三分の一を越えて127日分に達したところ。まだまだ先は長い。
127日分、全233首の中で最も多いのが十二月八日の歌。八月十五日(9首)よりも多い10首となっている。
十二月八日ぞと言ひむらぎもの心あらたまりたりし戦後や
/竹山広『一脚の椅子』
十二月八日いかなる日か知らぬ少女のピアノ滾滾と鳴る
/竹山広『千日千夜』
霜のなき十二月八日開戦を語らず過ぎき日永に過ぎき
/春日真木子『燃える水』
十二月八日あさから精神がきりりと締まるやうなる寒さ
/狩野一男『栗原』
十二月八日のゆふべ葱買うて帰りをいそぐ中古人われ
/狩野一男『栗原』
卵黄は小鉢のなかに締まりをり十二月八日霜のあしたを
/影山一男『空には鳥語』
十二月八日の街ににんげんの爪ほどの月うかぶ寒しも
/高野公彦『淡青』
遠い時間の十二月八日には触れずけふ十二月八日のひぐれ
/志垣澄幸『山河』
釈迦が悟りひらきしも十二月八日なれどこの日忘れえぬ時代を生き
て /志垣澄幸『青の世紀』
十二月八日未明の御陰嚢(おんふぐり)いかばかり山本司令長官
/石田比呂志『流塵集』
「塔」に連載している「高安国世の手紙」も、しばらく戦争中の話が続きます。
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