『葦舟』(松村)
年末、河野さんの歌集『葦舟』を読んだ。
2005年から2009年までの作品を収めた第14歌集。
河野さんの歌集を読むといつも、歌は小手先で作るものではないと教えられる気がする。
月の夜の湿りし空気に膨らめるそらまめの花ゑんどうの花
隣り家の瓦はつかに濡れゐるは眠りゐし間(ま)にすぎし昼雨
南面にしづかに冬の陽がさして岩倉交番今日も留守なり
深く疲れよ 土か心か分からぬがそこより聞こゆ 深く疲れよ
足の爪黒くなりしにすり込みつつ馬油(ばーゆ)となりし馬をかなしむ
皆さん、どうぞお読みください。
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