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「未来」の中沢直人さんの歌集『極圏の光』を読む。中沢さんは1969年生まれなので、私とほぼ同世代。2003年に歌壇賞を受賞しており、今回満を持しての第一歌集の刊行である。
大学院の学生から大学の助教授、教授という経歴もあって、大学という職場に関する歌や海外詠が多い。その中にあって、妻をめぐる一連の歌には作者の強い「いたみ」が感じられて印象に残る。全体として、走り続ける(勝ち続ける)男の孤独を感じる一冊であった。
  ろうすくう、ろうすくうると啼きながら飛び立つ鳩の群れに混じりぬ
  あと何回あなたを見舞う僕だろう火の見櫓をゆっくり過ぎぬ
  女性には一人で産むという選択のあること羨し 洋梨を剥く
  みな離婚された友なり離婚した友とこれまで思いおりしは
  ただ一つわれを導く矢印がラッシュアワーの改札にある

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