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太宰府にお住まいの村山裕子さんの第一歌集『卵の番』。第一歌集と言っても、平成8年「塔」入会とあるので、もうベテランと言っていいだろう。先日の赤煉瓦歌会でも、きちんとした読みと批評で歌会を引き締めていらっしゃった。
  漢字にて潤目鰯と書きてより睫毛のことが気になりはじむ
  美しく魚を食むこと大事にて天領日田の鮎の塩焼き
  あそこへんと教へられあそこへんに待てばバスは来て止りたり
  木の橋を渡れば秋が深くなるしらかはばしと仮名に彫られて
  庭に張る氷に風の筋が見ゆよべ吹き過ぎてゆきたる風の
どの歌も言葉の扱い方が丁寧で柔らかい。記憶の奥にあるような懐かし風景がたくさん出てくる。難しい言葉はなくて、どれも日常的な言葉が使われているにも関わらず、歌には不思議な奥行きが生まれている。短歌という詩型の持つ力を十二分に感じることができる歌集だ。皆さん、どうぞお読み下さい。

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