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アーカイブ "2025年09月"


『土屋文明歌集』角川文庫(昭和30)には
文明の自選三歌集、『放水路』『ゆづる葉の下』『山の間の霧』
が収録されています。

このそれぞれが2~3冊の歌集から自選したもので
目次を見れば、例えば

放水路
  ふゆくさより
  往還集より
  山谷集より

と、どの歌集から自選したのかが書いてあります。
(この目次は歌集に『 』が付いていません。
 よくある書き方なら『ふゆくさ』より、とかになりますね。)

この目次を見ていくと、一番最後に

  下水より

という一行があり驚きました。

下水って・・・。

土屋文明に『下水』なんて歌集あったっけ?
いや、誰であっても自分の歌集に『下水』なんてタイトルつける?

しばらく考えて分かりました。
これは、この文庫の数年前に出た歌集、
疎開先での戦中・戦後すぐの時期の歌を収録した
『山下水』のことなのです。
この頃は活版印刷なので活字が抜けることがあったんですね。

文明の疎開した家の庭には
山から引かれた清水が筧を伝って流れていました。
また、付近には澄んだ泉がたくさん湧いていました。

『山下水』はそうした澄んだ水に生命力をもらったことから
つけた歌集タイトルなのだと思います。

それが一字抜けたら「下水」。誤植、怖すぎる。

朝よひに真清水に採み山に採み養ふ命は来む時のため 土屋文明『山下水』

霜いくらか少き朝(あした)目に見えて増さる泉よ春待ち得たり 同

今日も出かける前に、朝からあれこれと。

暑い間は過ごしやすい場所をもとめて家の中をうろうろしていたので、
あちこちに細かい文房具などが散らばっています。それらを集めながら作業。
いや、暑くなくても快適な場所をもとめてうろうろしているかも。
決して広い家なわけではありませんが。

今日は新入会員に関するお仕事あれこれ。
10月入会の方をお迎えする準備です。

入会書類一式には塔のマスキングテープを貼ってお送りしています。
楽しんでいただけるとうれしいです。(今月分は発送済)
マスキングテープ、欲しい方は川本千栄さんまでお問合せください。
もちろん、切手は寄付していただいたものを使わせていただいています。
ありがとうございます!!切手も川本千栄さんまで。
(千栄さん、お世話になっております。ありがたやまです!)

今日はまた暑くなる予報なんですが、わたしはもう半袖には戻れないなあ…
みなさま、今日もよい一日をお過ごしください。

いつまでも暑くてたまらんなあと思っていましたが、涼しくなりました。秋ですね。
夏の間は、ふだん寝ている部屋が恐ろしく暑くなるので別の部屋で寝ていたのですが、昨夜からは元の部屋に戻って寝ています。
今日は朝からどよーんと曇りで、このあと雨の予報。
出かける前にあれこれやっておかなきゃと思いつつ、熱いお茶を淹れたらもう動く気もなくなって、とりあえずパソコンを開いて、というところです。

 

ああ、でも、時間のあるときに手紙を書こうかな。
と思い立ち、便箋をひらいて、それからこの前もらったお菓子があったな、
と思い出し、焼き菓子を出してきて、
すこしずつテーブルの上がにぎやかになってきました。

やっぱり手紙を書こうと思います。

 

鳥に言葉を教へるやうなしづけさに時雨はふれり 手紙書く日に
「手紙書く日に」睦月都/「切手を貼って運ばれる紙」うたとポルスカ

みなさまも、どうぞよい秋の一日をお過ごしください。

先日、母の命日に法然院へ行きました。
お墓参りとともに、河野裕子・永田和宏の歌碑のところへ。
歌碑は山門へ向かう参道の左手にあります。

久しぶりに見たのですが、彫られた文字がずいぶん読みやすくなっていて驚きました。
左が設置当時の2022年9月の写真、右が2025年8月です。

時間が経つと文字は見やすくなりますよ、と石屋さんから聞いていたのですが、本当に。

うれしくなり、LINEで父と兄に、
「歌碑の字が読めるようになってる!」
と写真とともに報告したところ、

「そうそう。
さっき桃の字の中のゴミ掃除しておいた」
と兄からメッセージが。

「桃の字」とは、このことですね。

われを呼ぶうら若きこゑよ喉ぼどけ桃の核ほどひかりてゐたる 裕子

私より先に法然院へ行って、「桃」の中に溜まっていたゴミを掻き出してくれたようです。
たしかにきれいになってた。
父もその前に行っていたので、みんなそれぞれでのお参りになりました。

父のほうの歌は、

きみに逢う以前のぼくにあいたくて海へのバスに揺られていたり 和宏

です。

二首を並べて見ると、

「われを」⇔「きみに」
「呼ぶ」⇔「逢う」
「ひかりてゐたる」⇔「揺られていたり」

と構造もどこか響き合っているのでした。

さて、今日から、朗読劇「たとへば君 四十年の恋歌」が新国立劇場 小劇場で四日間にわたって上演されます。
浅野ゆう子さんが河野裕子役、中村梅雀さんが永田和宏役を演じてくださいます。


https://artistjapan.co.jp/performance/ajrt_tatoebakimi2025/

河野裕子を演じるにあたり、浅野ゆう子さんは、法然院の母のお墓までお参りにきてくださったそうです。
ありがとうございます。

岡部です、こんにちは。

酷暑が続き、雨も全く降らない日々が二週間ほど続いた先月、
お盆も近づいたころ、ようやく雨が降り、少し涼しくなり、
朝の散歩の途中、歩道の植え込み近くにカタツムリがいるのを
みつけ、早速写真に撮りました。雨が降ると、どこからか生物が
ぞろっと出てきて、驚くことがあるけれど、あの酷暑の乾燥のなか、
どうやって生きていたんだろ、と不思議になる。

 乾きいる季(とき)を眠りて過ごすべし蝸牛窓をカーテンに遮し
               永田淳『光の鱗』

こちらは飼われている蝸牛かな。カーテンで光を遮ってくれる主がいて
救われています。

生物に詳しい甥に見てもらうと、これは左巻きのカタツムリで、
近畿以西では珍しい種類なのだそう。そうか、左巻きは
東北部に多いのか・・・。ともかく、最近は近所で全く見なかった
蝸牛にたまたま出会えた幸運に、感謝したい気持ち。

岡部史です、こんにちは。

古名を末摘花ともいうキク科の植物、紅花。
中国から輸入されたのは六世紀ころ、だそうです。
染料として、さらに口紅の材料としても用いられたでしょう。

 清少納言紫式部の化粧術いかなりし晴れて桜見る日は
              馬場あき子『渾沌の鬱』

写真は、その紅花のドライフラワーです。
山形市の博物館で撮影しました。紅花は山形県の県花。
江戸時代中期頃から最上川流域の各地で栽培され始め、
酒田港から京都へと運ばれていたそうです。

私は二十代の頃、水上勉の『紅花物語』を読むまで、
その辺りの経緯を知らずにいました、子供の頃は山形県に
住んでいたのに! 県の地図を見ると、山形県は最上川を
取り囲むように存在し、この川が県を統ベている、と
感じられるのですが。唯一南西部の幾つかの町村のみ、この川の流域に
属していないのですね。私はその南西部で育ったのでした。
今更ながら、疎外感に襲われたりして・・・。

《椛沢知世『あおむけの踊り場であおむけ』歌集批評会 ご案内》
日時:2025年11月24日(月・祝)13:30~17:30(13:00開場)
会場:阿佐谷地域区民センター第1・2・3集会室
 東京都杉並区阿佐谷北1-1-1
 (JR中央線 阿佐ヶ谷駅南口徒歩5分)
パネリスト:内山晶太(司会兼)・川野里子・高山由樹子・谷川由里子

【参加費】
会場参加:2,500円(学生2,000円)
懇親会:追加で4,000円(学生3,000円)
記録映像配信のみ:2,000円

*お申し込みは下記URLまたはこちらのQRコードから
https://forms.gle/gEr1ojmR2rJJBm2B8

運営:おどりばの批評会事務局(大平千賀、谷川由里子、山本まとも)

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