トマト!トマト!トマト!
トマトが好きだ。
はっきりとした記憶はないが、子どもの頃は「トマトが好きです」と言うほどトマトが好きではなかったと思う。
いつごろだろうか、大人になってお酒を飲むようになったころには俄然トマト好きになっていた。
そんなぼくの実家の近所に鳥取ではちょっとしたブランドトマトのU農園が移転してきた。これもまた正確にはいつ頃移転していたのかも覚えていないのだが、ぼくがトマト好きになったころには、すでにU農園のおいしいトマトを食べていたような気がする。というのも、ぼくの母親のミチコはとても明るく陽気な人で、誰とでもさらりと仲良くなってしまう。それで、このU農園のご夫婦ともいつの間にか仲良しになっていた。そんなこともあって色美しい完熟の美味しいトマトがぼくのところにも回ってくるようになっていたのだった。
ただ、トマト好きといっても、トマトの品種に詳しかったり、高級スーパーなどでレアなトマトを手に入れたり、調理法に詳しかったりすることはなく、「フォロー・マイ・ノーズ」よろしく自分の勘をたよりに美味しいトマトやトマトの美味しい料理をいただいてきた。
今年の春、ホームセンターに行くと、いろいろなトマトの苗が売ってあって、何種類かを選んでプランターで育てることにした。いま、プチトマトとフルーツトマトの青い実がたくさんついていて、少しずつ赤く熟しはじめている。
トマトの成長を見守る毎日はとても楽しい。やはりトマトが好きなのだ。
あたらしいサラダの皿の酢の香り皆に嗅がせてうれしい夕べ/工藤玲音『水中で口笛』
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