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古い「アララギ」を読んで(眺めて)いると、いろいろと面白い。まず厚さであるが、これは今の「塔」と同じくらい。202ページある。
最初に「七月集 其一」という欄があり、岡麓・斎藤茂吉・中村憲吉・土屋文明・結城哀草果ら10名の作品が載っている。「塔」には「月集」という欄があるが、これは本来は4月号なら「四月集」となるはずのものであったわけだ。それが、なぜか毎月「月集」となっている。不思議。
次に「七月集 其二」があり、鹿児島寿蔵・五味保義・吉田正俊・大村呉楼ら37名が載っている。この中に高安やす子の名前もある。高安国世のお母さんだ。国世の「アララギ」入会はこの翌年、昭和9年のことだが、母親は「アララギ」の有力歌人であったことがよくわかる。
他に「歌の新しさに就て」というテーマで佐藤佐太郎ら4名が文章を書いている。歌の「古い」「新しい」といった議論は今に始まったことではなく、こうして70年も前から同じような話をしているのだ。
巻末には「第八回安居会」の案内がある。今で言う夏の全国大会だ。期日は「八月二日より六日まで五日間」、場所は「比叡山上宿院」。内容はと言えば「午前四時起床。午前中講義講話。午後歌評会。夜歌話。午後九時就寝」。まさに合宿というか修行というか、ひたすら短歌漬けの五日間というわけだ。
などと、当時のことに思いを馳せていると、あっという間に時間が過ぎてしまう。

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