鳥になるこころ
高槻の木村輝子さんが、けやきの会 連作集 四「けやき」を送ってくださいました。
けやきの会は、大阪の北摂メンバーを中心に、毎月連作に取り組まれている会です。
編集後記を読むと、コロナ禍の中でもオンラインや郵便を活用して、
毎月歌会をされていたとのこと。その熱意と行動力に感服します。
二十一名の連作とエッセイが掲載されていて、とても読み応えがありました。
印象に残った歌をいくつか。
そこで鯉はぬぬっと向きを変えながら実験都市になりたる心 /大森静佳「実験都市」
乾きたる風に眼を生むやうにリストの指がピアノを走る /木村輝子「ポプラ」
夜の風はいかなる他者か羽化了へていまだその翅濡れゐるものに /竹下文子「家常茶飯二〇二〇」
この二首も好きでした。
波の上に揺れて群れなす水鳥の鳥のわたしはどこにゐるだらう /清水弘子「三椏の花」
渡りゆく鳥になりたし秋の日はちまちま歩くわれを見下ろし /森川たみ子「冬に入りゆく」
どこにも行けなかったこの冬、鳥へのあこがれがいっそう募っていたような気がします。
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