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今年2月号の「高安国世の手紙」に「杉浦明平のこと」という文章を書いた。その後、たまたま息子が読んでいた岩波少年文庫を見ていて、杉浦明平が『ピノッキオの冒険』の翻訳をしていることを知った。イタリア・ルネサンス文学の研究者でもあったことは知っていたのだが、それ以外にも幅広い活動をしていたようだ。
さらに今日、本屋に立ち寄ったところ、別所興一・鳥羽耕史・若杉美智子共著『杉浦明平を読む』(風媒社)という本が出版されていた。杉浦の評伝&著作の解読といった内容で、随分と詳しくいろいろなことが書かれている。
1955年の未来短歌会宿泊歌会で撮られた近藤芳美・高安国世・杉浦明平のスリーショットの写真も掲載されている(残念なことにキャプションの近藤と高安が反対になっているが)。「アララギ」に載った歌なども収録されていて、興味が尽きない。

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  • 若杉美智子 より:

    はじめまして。『杉浦明平を読む』の評伝を担当いたしました若杉です。ご指摘のとおり写真のキャプションは間違えたようです。この写真は杉浦生前中にだされた『明平さんのいる風景』(風媒社)から転載いたしました。同書は、杉浦に近しい方の手になるもので、写真も杉浦の提供でした。場所と合宿実施年は他の資料で確認でき若干の訂正をいたしましたが、人物のキャプションは信用してしまいました。申し訳ないし、残念です。増刷されるようでしたら訂正いたします。アララギのことについては、ずいぶん調査いたしましたので、いずれまとめたいと思っています。その時にでも。
    多くの方に杉浦明平に関心を持っていただければ幸いです。

  • 松村正直 より:

    昨年、「杉浦明平の世界 みんぺーさんの記憶と魅力」の図録を拝見して、その交友や活動の幅広さに驚きました。杉浦さんは短歌の世界でも戦後の「アララギ」や「未来」などで大きな役割をはたした方なのですが、残念ながら今ではあまり取り上げられることがありません。そういう意味でも、今回の『杉浦明平を読む』の出版は意義深いものだと思います。

  • 大辻隆弘 より:

    明平さんの
    「現代短歌茂吉文明以後」
    「明平、歌と人に逢う」
    は名著。
    昭和10年代から戦後のアララギを
    調べるときには必読文献です。

  • 松村正直 より:

    当時のアララギの歌人や人間関係について詳しく書かれているので、有難い本ですね。
    ただ、記憶違いの記述も一部含まれているようで、『明平、歌と人に逢う』に三か所出てくる「渡辺和子」(のちの高安和子)についての話は、高安和子さんが強い口調で人違いであると古い「塔」に書いていました。

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