十二月田
こんにちは、小川和恵です。
もう12月です!この前「2017年になった」と思っていたのに…。
大阪もだいぶ冷え込む日が増えてきて、寒がりの私には少々つらい季節ですが、「こんなんで寒がっていては東北や北海道の方に申し訳ない」と思いながら耐えています。
さて、私の生まれ育った埼玉県川口市には、その名も
十二月田
という地名があります。
正確には行政区画としての町名からはすでに消えてしまったのですが、今でも「十二月田小学校」「十二月田中学校」などには残っています。
この地名、結構難読で、埼玉県民でない人にはもちろん、埼玉県民であっても川口市民でない人なら読めない人も多いのではないのでしょうか。
さて、なんと読むでしょう?
正解は
しわすだ
です。
聞いたら「なぁんだ!」という感じですよね。
川口市も広くて、当時私の住んでいたところからはだいぶ離れていたので、残念ながら行ったことはありません。
でも、母の知り合いの娘さんが十二月田中学校に通っていたりして、地名だけはばっちり知っていました。
では、なぜこの地域が「十二月田」と呼ばれるようになったのか。
それを調べてみました。
すると、『新編武蔵風土記稿』という江戸時代に編纂された地誌の「巻之140 足立郡之6」に「十二月田村」という記述があり、そこにはこんな記載がありました。
十二月田(シハスダ)村
十二月田村は、昔十二月晦日、狐來りて、杉葉を以て田を植るさまをなせしより、
此村名起れりと云奇怪の説なり。
(読みやすくするために、カタカナはひらがなに直し、適宜句読点を補充しました。)
要するに、大晦日に狐がやって来て、杉の葉で田植えの真似をした、というのが起源らしいのです。
なにか、かわいらしいですね。
この辺りには「十二月田稲荷神社」という神社もあります。
もちろん、総本山は京都の伏見稲荷大社。
稲荷信仰は、古くから稲作とも深く関わっているので、そういったものも背景に、地元の農民の五穀豊穣を祈願する思いが、このような伝承につながったのでは、と考えられているそうです。
ちょっと行ってみたくなりました。
そこで、狐が杉の葉を持って田植えの真似をしているのを想像するのも楽しそうです。
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