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これまで京都の塔事務所は毎週第3火曜日のみ開所していました。
コロナ以前はもう少し頻繁に開けていたのですが・・・

少しコロナも落ち着いた今、開所日を増やします!
第二木曜日の13:00~16:00です。
直近は6月8日です。
第二木曜日は私、川本千栄が当番です。。
どうぞ遊びに来て下さい。

場所はココ
    ↓
https://toutankakai.com/information/

たくさん資料がありますよ。

昭和萬葉集とか・・・

現代短歌全集とか・・・

啄木全集とか・・・

茂吉全集とか・・・

赤彦全集とか・・・


文明もね!

明日ももう少しご紹介しますね!

先週、用事があって群馬県のみなかみ町をはじめて訪れました。現在の町名が、若山牧水の随筆「みなかみ紀行」に由来する町。牧水が大正時代に旅してから100年が過ぎたそうです。行きの新幹線で岩波文庫の『みなかみ紀行』を読み返しましたが、旅先で会ったひとの人物スケッチや台詞の切り取り方、温泉や酒に対するはしゃぎぶりなど、愛情深く生き生きした筆致で、読むと気持ちが明るくなります。

みなかみ町の「たくみの里」「猿ヶ京」「谷川」などを地元の研究会のかたにご案内いただきました。牧水の歌碑が本当にたくさんあって驚く…。晶子や吉井勇の歌碑もありました。


こちらは、猿ヶ京温泉の新しい歌碑。3月に除幕式があったばかり。

高き橋此処にかゝれりせまりあふ岩山の峡のせまりどころに
/若山牧水『山櫻の歌』

行き行くと冬日の原にたちとまり耳をすませば日の光きこゆ
/若山牧水『くろ土』

これは昔から好きな歌なので、この歌が実際に詠まれた土地で歌碑を見られて嬉しかった。

歌碑ではないですがこの巨石、何のかたちに見えるでしょうか。
最初、牛かなと思いましたが猫だそうです。養蚕がさかんな地域なので、蚕の大敵であるネズミを駆除してくれる猫が崇められていたとか。

猫といえばみなさん、「塔」5月号「方舟」、中型犬さんの「犬派に告ぐ!」は読まれましたか。とてもおもしろかったです。「塔」誌面に載った犬の歌と猫の歌を丹念に数えた結果(!)「七ヶ月連続で猫が犬より多く詠まれている」と、犬派歌人に奮起を促しておられます。

 

生命誌研究館30周年記念行事_プログラム

永田和宏が館長をしておりますJT生命誌研究館は、本年30周年を迎えることになり、5月27日(土)の午後、下記の講演会を開催いたします。

もしご興味のある方が居られましたら、まだ席に余裕がありますので、どうぞお出かけください。

本来はネットの申し込みが必要なのですが、受付で「C-99」と言っていただければ通れるようにしてあります(参加無料)。

とのことです。

 

JT生命誌研究館 創立30周年の集い

「科学の未来と生命誌」

日時 2023年5月27日(土)14:00~17:25

会場 浜離宮朝日ホール(東京都中央区)

 

プログラム

13:15 受付開始

14:00 開演

14:15 お話 中村桂子(JT生命誌研究館名誉館長)

「生命誌版『ピーターと狼』と共に歩んだ30年」

(ピアノ演奏:プリムローズ・マジック)

15:25 休憩

15:40 研究活動紹介映像

「生きもの愛づる人々 III」

16:05 対談 山極壽一(総合地球環境学研究所所長)✕ 永田和宏(JT生命誌研究館館長)

「科学のおもしろさをみんなと共有したい ―答えより問いを求めて―」

17:25 閉幕

 

生命誌研究館30周年記念行事_会場地図

JT生命誌研究館創立30周年の集い「科学の未来と生命誌」 | JT生命誌研究館 (brh.co.jp)

みなさんこんにちは。鈴木晴香です。

先月のこと、
岩手県北見市の日本現代詩歌文学館に行ってきました。
詩歌の蔵書を閲覧したり、展示を見学したりできるという夢の館に、ついに足を踏み入れることができました。

現在の展示は「賢治に献ずる詩歌」。
2023年は宮沢賢治の没後90年、24年には生前唯一の詩集『春と修羅』の刊行から100年を迎えるという節目の年の企画ということで、
賢治の作品からインスピレーションを受けた短歌、俳句、詩、絵画の作品が飾られていました。
すべて直筆の作品で、その表現方法に作家の工夫が込められたりしていて、
表現の可能性を感じる展示でした。

敷地内にある「山口青邨宅」も案内していただきました。訪問者は私一人だけなのに、細部まで丁寧に解説してくださったのです。なんだかずっとここに住みたいような心地でした。

宮沢賢治も石川啄木も岩手県の出身。
そのほかにも、北上駅前には若山牧水の歌碑があったりと、ここは詩歌の郷なのですね。

幾山河越えさり行かば寂しさのはてなむ国ぞ今日も旅ゆく

父の故郷が詩歌に溢れていることに、私は嬉しい縁を感じたのでした。

いまの家に住んでちょうど10年目になります。それまでは、6階建ての賃貸マンションに住んでいたのですが、手ぜまになってきたので戸建てに引っ越そうというこになりました。ちょうど子どもが小学生になるまであと一年でしたから、当時通っていた保育園が校区になる小学校がいいなといくつかの不動産屋さんを訪ねて内見させてもらったり、ネットでしばらく探したり待ったりしてみましたがなかなかこれ!という物件に出会えないでいました。

ある日、近所をウォーキングしていたら、工務店の白い軽バンがある家の前に停まっていて、数名の方がその家から出たり入ったりするのが見えました。いつものコースだとその手前の交差点をまっすぐ行くのですが、左に折れてそこへ近づいてみました。どうやらリフォームしているようでした。さりげなく(いまおもうと全然さりげなくない!)、リフォームですか?って声をかけてみました。すると、「あーっ、ここ賃貸物件にするんだって」と返事がありました。小学校も近いし中学校も近いし、ここだ!と直感しました。「中を見たいのならこっそりええよー」と工務店の方が言ってくださるので、ちらっと見ました。ここしかない。ということで、ホームページに掲載される前に一気に契約しちゃいましたのが今の家。

住んでみると、これまで住んでいたマンションとそれほど変わらない界隈なのに角ひとつ折れるだけで町内の様子がちょっと穏やかでゆったりしていました。小学校のそばの住宅地にはずっと昔からのお宅や神社やお寺があり、家と家の間にはちいさな畑をなさっているところもありました。そしてそういう中に、梔子が生け垣になっているお宅がありました。5月の中旬くらいから八重の白い梔子の花がたくさん咲いてあまい香りを漂わせる、緑の濃い立派な長い生け垣でした。ほんとうに素敵な梔子の生け垣で、ぼくにとっては引っ越ししてよかったと思える近所のお気に入りスポットのひとつでした。でも、2年前の春にその土地は手放されて何もかも掘り返されてある日突然更地になってしまいました。梔子の生け垣もごっそりどこかへ行ってしまいました。その後すぐ売地という看板がたち、夏には新しい家が建ちました。

ぼくはどうしてもあの八重の梔子が恋しくて去年の春、メルカリで小さな鉢を購入しました。そのままなんでもかんでも置いてしまう日当たりのよい職場の窓辺に置くとやはり5月中頃にはうつくしい白い八重の花をつけ、室内にあまいかおりを届けてくれました。そしてそれはいまも窓辺にあって、小さな鉢にたくさんの蕾を膨らませています。

梔子を煮たるインクで刷り上げし荷風の原稿用紙を恋へり/栗木京子『水仙の章』

こんにちは。
荻原伸です。

もうみなさんのところへ5月号は届きましたか?
5月号には大変重要なことが2つ含まれています。

1つは、会費の振り込みです。
6月20日までが締め切りです。覚えているうちに、善は急げ、払い込んじゃいましょう♪

2つは、全国大会in福岡2023のご案内です。
9月9日と10日に実施いたします。ぜひぜひ多くのみなさんに参加していただきたいです。
プログラムの内容の充実、福岡という土地の魅力、そしてみなさんで集う歓び。
6月30日がしめきりです。こちらも、善は急げでお申し込みください♪
(web経由でお申し込みいただけるばあいはぜひweb経由でお願いします!ココ

5月号もくじ。
202305もくじ

こんにちは。
荻原伸です。

プランターで使ったままにしていた土の手入れを4月中旬に行いました。ゴールデンウィークの間に何か夏野菜を植えようと思ってのことでした。でも、何を植えようか、はっきりとは決まっていませんでした。そんなぶらりんとした気分で近所のホームセンターに行きましたら、あらら結構な人。鳥取にもこんなに人がいたんですなという感じ。ゴールデンウィーク初日の午前の園芸コーナーはにぎやかでした。

ぼくはそこで、去年はたぶん目にしなかったものすごく皮が薄いというトマトの苗やオレンジ色の実がつくというトマトの苗などまずは選びました。種のコーナーでは、たくさんの種類が混ぜて入れてあるベビーリーフ(マルチ)や二十日大根の種袋などちょこちょこ選び、そうして、ぐるぐる同じところをまわっていると、ほとんど視界に入らないようなところに小さなモロヘイヤの苗を発見しました。1ポット90円。

初夏になると、母の道子が、畑の片隅で育てたモロヘイヤを毎年たくさんくれます。葉っぱとすこしくらいの茎もいっしょに茹でて、あのネバネバを鰹節と醤油で食べたりゆず果汁と醤油でたべたりしております。ああ、あのネバネバ!とおもってしまうと、もはやこのポットも買わずにはいられません、モロヘイヤ。

プランターに植え替えて、2日ほどすると。なんと!葉っぱが食い荒らされています。これは、ナメクジの仕業に違いない!とスマホのライトを点灯させてさがしましたら、いました!ほっそいちいさなナメクジ。割り箸でつまんで、処理しました。それから約一週間。食われていないいきいきした葉が増えてきはじめています。

冬瓜のスープ、モロヘイヤのスープ、冷たい豆のスープ、秋立つ /大口玲子『トリサンナイタ』

大雨の連休最終日、みなさんお変わりありませんでしたか?

さて、5月20日(土)に河野裕子の生まれ故郷である熊本県御船町で歌碑除幕式および記念講演会が行われます。

これは皆様からご寄付いただいた御志を原資としまして、昨年に法然院に、そして今年御船町に建てられた歌碑です。
熊本歌会の村田弘子さんが文字通り東奔西走してくださり、ようやく建立、除幕式となりました。
やや交通アクセスが不便ではありますが、なんといっても会費無料ですから、皆さん是非ご参加ください。
以下、要項です

日時 5月20日(土)
除幕式 10時30分〜11時
記念講演会 12時30分〜15時30分
吉川宏志 河野裕子の歌う風景
伊藤一彦 河野裕子のふるさと
永田和宏 河野裕子のおくり物
会場 熊本県御船町
除幕式 御船町役場 正面玄関前
https://www.town.mifune.kumamoto.jp 確か僕の記憶では、恐竜の像が役場前には立っていたはず。
講演会 御船町カルチャーセンターホール
https://www.town.mifune.kumamoto.jp/hpkiji/pub/List.aspx?c_id=3&class_set_id=2&class_id=6131
資料展示 御船町カルチャーセンターホワイエ

会費  無料

当日、除幕式に間に合おうと思うと、熊本駅8時53分発のバスになりますね…
ちょっと早いですが、みなさんにお目にかかれますのを楽しみにしております。

 

 

 

 

 

先月中旬、とんでもない偶然が続き、高校入学時に一時下宿して生活
したことのある米沢市へ。半世紀ぶりの訪問が叶いました。ついでに
川西町出身の井上ひさしの蔵書を所蔵する遅筆堂へも足を運びました。

ここには井上氏が寄贈した七万冊の蔵書が数か所に分けて保存してあり、

圧巻は、書庫の棚。井上氏が執筆にあたって利用した書籍がぎっしり。
写真は、「一葉」の棚で、たぶん「頭痛肩こり樋口一葉」を書くに
当たって集めたものでしょうね。他にもシェークスピア、とか。言語に
関する書籍も膨大に集めたものが残されていました。

短歌などの短詩形にも興味を持っておられたようで、歌集や句集を収めた
書棚もあり、じっくり見ていると、河野裕子『家』を発見しました。
写真の左手下の方に見えています。

こちらは館内に置かれている、「ひょっこりひょうたん島」の登場人物たち。
私は子供の頃、大好きな番組で、友人に「プリンちゃん」と綽名をつけたり
して、楽しんでいました。お近くにお住いの皆さま、近くへ旅する予定の
皆さまも足を運んでみて下さい。

染井吉野はほぼ散ってしまい、今咲いているのは八重桜。
その中でも花が牡丹の花のように丸くなるものは
牡丹桜と呼ばれるようです。

写真の桜は、五分咲きくらいの時は、すっきりした印象でしたが
撮影した日はまさに満開。
写真を撮ろうと花の下に入ると、何と言えばいいのでしょうか、
豊満というか豊潤というか、見ているとクラクラするような
とにかく包み込まれ圧倒されました。

溢(はふ)れ咲く牡丹桜の下をゆきこころもあやに妻らに湎(おぼ)る 
鬱(うつ)したるおもひ和(やわ)さむ親われら花燿(て)る下に子を跳ばしめつ
花びらは生きをるもののかくるがに黒き築地(ついぢ)のうちらにしづむ
若きらは丈夫(ますらを)さぶとおごれりし散りまどふ花の団(かたまり)とかも      坪野哲久『桜』(昭和十五)

〈一首目は豊満に咲く牡丹桜の下で、
自分でも不思議なほど妻と子に溺れていると詠う。
青年等が若く独身のまま(戦争で)死ぬことに対するアンチテーゼとして、
哲久の牡丹桜と家族はある。
二首目では、親の鬱屈した思いを和ませてくれるように、
子は花の下で無邪気に跳ねている。
三首目、哲久には花びらが散っていくさまが、
生きているものが隠れていくように見える。
築地の黒さと「しづむ」という言葉遣いが不吉な印象だ。
四首目、昂揚した気持ちで自分を丈夫らしいと思っている若者たちを
散りまどう花のようだと詠う。
散ってくる花びらのもとで、哲久の思惟は死んでいく若者たちに至るのだ。〉
          川本千栄「近代短歌山ざくら考」『深層との対話』より

昔書いた文を引用しました。
戦争時潔く桜のように散っていくことを求められた青年たち。
彼らは自他ともに一重の桜に喩えられました。
坪野哲久は八重桜(牡丹桜)を描きつつ、
そうした青年たちを危うい気持ちで見守っていたのではないでしょうか。

おそらく1枚目の写真の桜は一葉、2枚目は関山。←検索した

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