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押し終えて巨き客船を離れ去るタグボート一ついたく静かに/清原日出夫『実生の檜』

タグボートは公式文書などでは「曳船」と書かれていることが多いが、大型船の入港・出港をサポートするときには、曳くだけでなく、押すこともしばしば。大型船のボディには、構造的に押したらへこんでしまう部分もあるので、押してもよいところに「TUG」と書いてある。船首にゴムタイヤなどをつけたタグボートがそこを押すのは、なんだかツボを押しているような感じもする。

写真のこれは、ポルトガル船籍のタンカー「STOLT APAL」が大阪港・桜島埠頭に接岸するところ。
タンカーといっても原油タンカーではなく、化学製品または石油製品を運ぶ船。
 
タグボートは日本海事興業の「日興丸」。危険物を運ぶタンカーは入念な安全対策が必要で、もう1隻、奥のほうで日本栄船の「あさか丸」が仕事をしている。

ところで、もう1隻。小さな船がいるのが見えるだろうか。

この船がそうなのかどうかはわからないが、入港・出港の際には繋留するロープを岸に確実に渡したりするための作業船が出ることが多い。「繋離船」あるいは「綱取り船」などとも呼ばれる。
その他に沖から港内に入るために水先人(パイロット、水先案内人)が乗り込んでいる場合には、着岸後に下船した水先人を迎えに来ている船ということもある。

港湾作業もどんどん自動化、省力化が進んでゆくのだろうけれど、今のところはまだ、たくさんの船、たくさんの人が働いている様子が見える。

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