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岡部史です、こんにちは。
先月、亡父の郷里・新潟県糸魚川市を半世紀ぶりに訪れました。祖父母が
健在だった子供の頃、夏休みは必ず一週間くらいは滞在していたのですが。

今回は、ヒスイの谷として知られる姫川上流の小滝川ヒスイ峡を訪ねたく。

 渟名(ぬな)川の 底なる玉 求めて得し玉かも 拾ひて 得し玉かも
 惜(あたら)しき 君が 老ゆらく惜しも
               『万葉集巻十三 3247)』

と詠まれた日本のヒスイは、奈良時代以降は忽然と歴史から姿を消しています。
糸魚川に古くから存在した奴奈川という地名がこれに当たり、そこで見つかる
ヒスイこそが「底なる玉」であると再発見されるに至ったのは、糸魚川出身の
文人・相馬御風らの尽力によるところ大きく、また六十年代初頭に発表された
松本清張の『万葉翡翠』という小説も、糸魚川のヒスイを世に知らしめる、
大きな力になったようです。

素晴らしく美しい峡谷に、息を呑みました。近くには山藤やウツギなどの花が咲き。
山の新緑が目に沁みるようでした。こちらは、ちょうど三十年前に、清張がテレビの
取材を兼ねて訪れた時の写真です(昨年暮れ、新潟日報に掲載)。

市内でヒスイを入手できるお店もあるけど、余りにも高価なので・・・。
お腹の方を満たすことに。こちらの料亭では、糸魚川の五つの蔵元の
代表的なお酒の飲み比べができました。

どれも美味しかったけれど「謙信」というお酒がとりわけ芳醇で、美味でした。

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