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龍がどちらかといえば権力者側のお墨付き的な存在であるのに対し
河童は庶民の間に伝承し、各地域で多様に扱われてきた存在、という
印象があります。名称も河童の他に、カワタロ、ガタロ、カワロウ、
カシャンボ、カワノトノ・・・と千差万別、アイヌの間にも同様の
生き物が伝わっていて、ミンツチ、と呼ばれていたそうです。

普段はお皿に水を溜めていて、乾くと命に係わるとか、人の尻子玉を抜く、
とか、馬を水に引き込むとか、人に相撲を挑むとか・・・。このあたりが
かなり広く伝わっている属性で、後は地域によってまちまち。年に二度、
山と川の間を移動する、と伝えられている地域もあれば、大工が人形を
作って仕事を手伝わせ、終ると川に放ったのが河童になった、などと
伝えている地域もあるらしい。河童の話は本当に多様です。
豊かな水の国である日本で、人々が深く水と関わってきたからでしょう。
想像をたくましくしながら、水を愛し、畏れつつ水と親しんできた経緯が
河童と言う存在を通して読み取れます。

 河郎の恋する宿や夏の月 蕪村

今回のブログは、来年の辰年にちなみ、龍をまくらに、
水にちなんだ国内の事物でまとめてみました。皆さま、良いお年を。

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