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岡部史です、こんにちは。
初めて小笠原・父島の「くさや」をお土産に頂いたとき、その匂いの
強烈さに驚いた記憶があるのだけれど。母島産の「くさや」はさらに強烈とか。
人間は凄い食べ物を創造するもんだ、と、半ば呆れたのですが。
他国にはさらなる「臭い食品」があって、例えばスエーデンの
シュール・ストレンミング。缶詰とあり、家族が旅行した折購入してきました。

屋内では開缶しないようにと注意されたそうで、庭で開けることに。
開缶直後は凄い匂い、たぶん、父島くさやの数十倍。
少し収まってから食卓へ。見た目は普通の魚(ニシン)。味は強烈な塩辛さ。

 缶の中では空気が豊富に存在する発酵ではないので 嫌気発酵という特殊な発酵が
 起こり、発酵菌は異常な代謝を起こすことになり 強烈な臭みが生じてくる・・・
                     小泉武夫『発酵食品礼讃』

ということらしい。ニシンは北欧の人々にとって、貴重なたんぱく質として
その食生活を長く支えてきており、日本人には想像できないほど、多様な
料理が生み出されてきたようです。生ニシンを挟んだサンドイッチもあるし。

 妻も吾もみちのくびとやニシン食ふ 山口青邨

当時、元気だった我が犬も「あれ、何の匂い」と顔を出し、その横には
水仙が咲いていました。ちなみに、ニシンは春の季語。

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