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家で仕事をすることが多くなると窓の外の音がいろいろ聞こえてくる。
気が散るといえば散るが、適度な気分転換も必要で、部屋の換気とか、深呼吸などもしたほうがよい。
飛行機の音が聞こえて、空を見上げる。

最近は、どの飛行機がどこを飛んでいるかというのも、インターネットで確かめることができてしまう。調べればわかるものは調べてしまうという性分なので、やはりここでも写真を撮って調べて書き留めたりする。

北摂に住んでいて頭の上を通過するのは、だいたいは伊丹発着便と成田から上海方面へ向かう便だが、欧州に向かってゆく大型機だったりすると、ちょっと心が動く。

KLM868便 関空→アムステルダム B777-206/ER ( PH-BQL )
関空発のKLMオランダ航空アムステルダムの昼の便は週4回飛んでいるて、半分は播磨方面を越えてゆくが、あとの半分が大阪湾上でぐるっとまわって高度を上げ、大阪・京都、そして琵琶湖の上を日本海に抜けてゆく。
 
せっかくなので、オランダ上空を飛んでいる人の作品を引いておく。

飛行機はバスの如くに馴れはててオランダもまた眼の下にあり/二宮冬鳥『日本の髪』

現代ならば、海外旅行にしょっちゅう出かける人の「馴れはてて」というのはありそうだが、1963年の歌集。このときの二宮冬鳥は2か月にわたって海外を旅行している。歌集巻頭には「ジェット機に乘つたままになるかも知れぬ吾を送れる妻の妊孕性」というのがあって「妊孕性」というのが医者らしい語彙の選択だが、現代よりはやはり飛行機は「こわごわ」乗るものだったのだろう。
そうして何か国かまわっているあいだに「馴れはてて」なのだった。

こちらは
FIN78便 関空→ヘルシンキ A350-941 ( OH-LWM )
フィンエアーのヘルシンキ行きも週4便。これもアムステルダムゆきと同様に播磨を越えるコースと琵琶湖を越えるコースのどちらか。
この日は空気が澄んでいた。

真白なる空港に今降下する華氏32度ヘルシンキの街/嶋寺洋子『父のキャンバス』

華氏32度=摂氏0度。北欧で、冬なら暖かいほうか。そうでない季節なら、さすがに北欧だという印象になるだろう。

   *

新大阪界隈は、伊丹到着便が着陸態勢で頭上をよぎる。予想していないと、かなり驚くことになる。

唐突に鋪道のうへの空間のとどろくときに飛行機がとぶ/佐藤佐太郎『群丘』

JAL121便 羽田→伊丹 B787-8Dreamliner ( JA849J )
この日は雨だった。

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