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先週、用事があって群馬県のみなかみ町をはじめて訪れました。現在の町名が、若山牧水の随筆「みなかみ紀行」に由来する町。牧水が大正時代に旅してから100年が過ぎたそうです。行きの新幹線で岩波文庫の『みなかみ紀行』を読み返しましたが、旅先で会ったひとの人物スケッチや台詞の切り取り方、温泉や酒に対するはしゃぎぶりなど、愛情深く生き生きした筆致で、読むと気持ちが明るくなります。

みなかみ町の「たくみの里」「猿ヶ京」「谷川」などを地元の研究会のかたにご案内いただきました。牧水の歌碑が本当にたくさんあって驚く…。晶子や吉井勇の歌碑もありました。


こちらは、猿ヶ京温泉の新しい歌碑。3月に除幕式があったばかり。

高き橋此処にかゝれりせまりあふ岩山の峡のせまりどころに
/若山牧水『山櫻の歌』

行き行くと冬日の原にたちとまり耳をすませば日の光きこゆ
/若山牧水『くろ土』

これは昔から好きな歌なので、この歌が実際に詠まれた土地で歌碑を見られて嬉しかった。

歌碑ではないですがこの巨石、何のかたちに見えるでしょうか。
最初、牛かなと思いましたが猫だそうです。養蚕がさかんな地域なので、蚕の大敵であるネズミを駆除してくれる猫が崇められていたとか。

猫といえばみなさん、「塔」5月号「方舟」、中型犬さんの「犬派に告ぐ!」は読まれましたか。とてもおもしろかったです。「塔」誌面に載った犬の歌と猫の歌を丹念に数えた結果(!)「七ヶ月連続で猫が犬より多く詠まれている」と、犬派歌人に奮起を促しておられます。

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