古本の季節
本の処分、で思い出しましたが、京都・百万遍の知恩寺では毎年10月末ごろに「古本供養」が行われます。「秋の古本まつり」の初日に行われる行事です。役目を終えた本を燃やすのではなく、出品することで本が供養されるという考えらしいです。たしかに、やむなく手放した本を誰かが手に取ってくれたと思うと、なんとなくほっとしますね。
10月4日は古書の日、10月は古書月間。ということで、私も自宅に眠る古本たちと向き合ってみたいと思います。
さて、古書つながりで、今日は京都・岡崎の山﨑書店へ。平安神宮の大鳥居の近くにある古書店で、美術書を専門に扱っています。
店内で開催中のアート展を見にきたのですが、本棚に詰まった、そして台に広げられた古書がとにかく、すごいのです。和本の数々から独特のにおいが。人間より本の存在感の方が圧倒的です。うす暗い地下室もあり、そこには出番を待つ古書たちが静かに生息していました。展示室の一つになっていたので入りましたが、ふだんは入れないのかもしれません。日本美術、東洋美術に関するものが多いように思いました。たまに詩の本や、「折々のうた」も交ざっていました。
10月とは思えない蒸し暑さのなか、窓辺に釣り下げられた鉄の風鈴が、ちりん、と鳴ります。異界を見ました。
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