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カテゴリー "川本千栄"

約1か月前の2024年6月11日、アメリカの児童文学作家、
ルース・スタイルス・ガネットさんの訃報が伝えられました。
享年100歳とのこと。
とても驚きました。
驚きの一番大きな部分は、失礼ながら
「まだご存命だったんだ!」ということです。
何しろ私が従兄の本棚から『エルマーのぼうけん』を
もらって読んだのが小学生だった1970年代。昭和40年代です。
その時にも「これはかなり古いお話なのだな」と思いました。
挿し絵の冷蔵庫がとてもレトロなのでそう思ったのでしょう。
勝手に作者をとても昔の人と思っていました。

そして1990年代、就職してからですが、
『エルマーのぼうけん』がアニメ映画になり、
幼い姪っ子を連れて見に行きました。
原作に忠実ないい映画でした。
写真のパンフとキーホルダーはその時のものです。

子供時代に親しんだ児童文学には女性の書き手が多く、
古くは『若草物語』のオルコットから、『赤毛のアン』のモンゴメリ、
『長靴下のピッピ』のリンドグレーン、『ムギと王さま』のファージョン、
『ムーミン谷』のトーベ・ヤンソン(←これだけは大人になってから読んだ)
などの作品を楽しみました。
彼女たちはシリーズものを書くなど、結構多作です。

でもこのガネットさんは『エルマーのぼうけん』『エルマーとりゅう』
『エルマーと16ぴきのりゅう』の三作しか書かれなかったそう。
「お母さん」になるのが夢だったそうで、
7人の娘の母としての生活を大切に生きた、とのことです。

児童文学の作者からお母さんになり、さらに、お祖母さん、ひいお祖母さん、
として過ごされた100年間を想像しています。
ご冥福をお祈りします。

もうすぐ全国大会!
塔会員の皆様はもう申し込みはお済ですよね?
今年の塔全国大会2日目、一般公開プログラム
「現代短歌シンポジウムin京都2024」の
ゲストは超超超豪華!!

作家・町田康の講演
翻訳家ピーター・マクミランと吉川宏志の対談
映画監督是枝裕和と永田和宏の対談(敬称略)

これが2000円なんて、いいんでしょうか??

塔会員以外の方をお誘いするため、本日事務所開所日を利用して
有志の方々とDMを作成いたしました。
郵送には全国の会員の方から頂いた切手を使用させていただきました。

このチラシのデザインのカッコいいこと!!
塔の歌会にご参加の方、歌会で配布しますので
塔以外のお友達にお渡し、お誘い下さいませ。


JR京都駅から琵琶湖線で9分で大津に着きます。
大津駅からなだらかな坂を下って10分ほどで琵琶湖岸。
京都から大津はとても近いんです。
水が噴水のように出ているこれは何でしょう。
シドニーのオペラハウスみたい。(←行ったことないくせに)
この日は晴れていたかと思うと曇り、雪が降り、また晴れました。

みづうみの湿りを吸ひてどこまでも春の曇天膨れてゆけり 河野裕子『桜森』

母を知らぬわれに母無き五十年湖(うみ)に降る雪ふりながら消ゆ 
                        永田和宏『百万遍界隈』

翌日は奈良。近鉄急行で京都から一時間弱。こちらも近い。

現代歌人協会のイベントは伝統ある奈良ホテルで行われました。
やっぱり対面のイベントはいいですね。
色々勉強になる話を聞けるのはもちろん、
短歌を愛する人たちとたくさん会えたのもうれしい。
しかも会場が最高。近代建築大好き人間なので興奮!!

夜は東大寺二月堂のお水取りです。
関西在住なのに初めて見ました。
これはすごいですよ!!
奈良の歌人の皆様、ご案内いただきありがとうございます!

一泊して、翌朝はサクッと阿修羅像に会いに行って
猿沢の池を散策してから戻りました。
良い天気。
五重塔は補修工事中。
奈良公園では世界各国の老若男女が鹿と遊んでいました。

かすがのゝみくさ折りしきうふすしかのつのさへさやにてるつくよかも 
                        会津八一『南京新唱』
   猿沢池
わぎもこがきぬかけやなぎみまくほりいけをめぐりぬかさゝしながら


前回の投稿から数日を経て
ぐーんと膨らんだ白木蓮の蕾をお見せするつもりが…
大差無し。まだ早かったのかな。
これでも肉眼で見るとかなり白くなっているのですが。

ひかりつつ鳥のねむりのかたちして祈りのなかにハクモクレンは
                野田かおり『風を待つ日の』

目下のところ白木蓮の歌の中で一番好きなのはこれ。
現代短歌にはよく現れる白木蓮ですが、
近代短歌では少ないですね。

木蓮(もくれん)の花に降る雪はなびらにふれてはとけて雫(しづく)せりけり
かきくらし雪降(ふ)る中(なか)の木蓮の花は雪よりなほ白く見ゆ
                         岡麓『庭苔』

大正15年の歌集より。「木蓮の雪」7首の連作です。
木蓮、としか言ってないけど、二首目から白木蓮だと分かります。
なごり雪の中で咲く白木蓮。美しい歌ですね。

街にて不意に逢はむ日などを恋ふのみに白木蓮の花も畢(をは)りぬ
                  大西民子『不文の掟』

いや、写真と合ってないし。
でもとても悲しく美しい歌ですよね!!
決して不意に逢うことなんて無いんです。
待ち合わせて逢うことももう二度と無い。
分かっているんですよね。

白木蓮の写真が咲いて無さ過ぎなので白沈丁花の写真を置いておきますね。
わが家の白沈丁花。とてもいい香りがします。
木蓮も沈丁花も白が好き。

皆さん、確定申告は終えられましたか?
私は昨日やっと終えました。
年が明けてからずっと確定申告鬱っていうか
「やらなきゃ、やらなきゃ」
と思いながら取りかかれない。
学生の試験勉強のような状態が続いていました。
やれやれ、です。
まさか確定申告の歌なんか無いだろうと思っていましたが
次の歌はいかがでしょう。

税務署に届けに行かむ道すがら馬に逢ひたりあゝ馬のかほ 斎藤茂吉

道すがら白木蓮の花を見ました。
桜より白木蓮に春を感じます。
もう2~3日したらまた同じ樹を撮ってみます。
白木蓮の歌はその時に。

 


『キマイラ文語』の読書会を行います!
短歌の文語と口語について、短歌史について語り合いませんか?
「塔」の皆様にぜひご参加いただきたいです!

プログラム 第1部13:00~ 司会:睦月都(かばん)
      レポート1 嶋稟太郎(未来)
      レポート2 桑原憂太郎(短歌人・太郎と花子)
      鼎談 睦月都(司会)、川本千栄、嶋稟太郎、桑原憂太郎
      第2部15:00~ 司会:松本志李(塔)
      会場発言、随時ディスカッション

日時:2024年2月24日(土)13:00~17:00
場所:TKP神田ビジネスセンター
   (地下鉄淡路町駅・小川町駅・新御茶ノ水駅から徒歩3分
    JR神田駅北口・西口から徒歩6分)

会費:2000円
懇親会費:6000円

下のQRコードからお申込みください。
皆様とお会いできるのを楽しみにしております!

今年も文学フリマ京都の季節がやって来ました。
https://bunfree.net/event/kyoto08/
日時)1月14日(日)
   11:00~16:00
場所)京都市勧業館みやこめっせ1階
   https://www.miyakomesse.jp/
ブース番号)せ-07~08 (「塔」の幟が立ってます。)

「塔」の選者・会員の歌集歌書を販売しています。
https://c.bunfree.net/c/kyoto08/!/%E3%81%9B/7

ここをクリックしていただくと、「塔」のカタログに飛びます。
各表紙の写真をクリックすると、詳しい説明に飛びます。

今年のイチオシはこれ!!
永田和宏『現代秀歌』です。

現代短歌の秀歌を選りすぐって100首。
そのどれもに永田和宏の解説がついています。
これを読めばたちまち現代短歌の基礎知識が付くという
最強のアンソロジー!!(第13回日本歌人クラブ評論賞受賞)

この他にも多くの歌集を販売しています。
アクセサリーなどの小物も販売。
『塔』のバックナンバー、フリペも無料配布。
ぜひ遊びに来てくださいね。
すぐそばの平安神宮で初詣もどうぞ!

大変申し訳ありません、
しばらく都合により
塔開所日を「第二木曜」のみとさせていただきます。
「第三火曜」の開所日はありません。

それだけだとあまりに寂しいので…

写真は「塔」創設者の高安国世の短歌に
画家である息子の醇の絵を添えた作品集です。

うっとりするほど美しい仕上がりになっています。

先日の全国大会の参加者にはお配りしたのですが、まだ在庫があります。
ご希望の方は、「塔」の事務所に置いてありますので、
立ち寄られたらぜひお持ち帰りくださいね。

かきくらし雪ふりしきり降りしづみ我は真実を生きたかりけり 高安国世

9月17日(日)島根歌会の皆さんと年間回顧座談会を行いました。
『塔』の一年間を振り返りながら、歌に関する色々なご意見、
歌に対する思い、等を語り合いました。
誌面に載せられるのはその内のほんの一部になってしまいますが
12月号に間に合うように編集がんばります。

会場になった宍道公民館は新しく、とてもきれいな建物です。
これは廊下に飾られた凧。

夕暮れの宍道湖です。遠くに細長く伸びているのは空港です。

いつか観光でゆっくり来たいところです。
その時は飛行機で空から湖に降下するのもいいかも!

2023年9月9日(土)10日(日)、福岡国際会議場にて塔全国大会、
「現代短歌シンポジウムin福岡」が開催されました!
三年ぶりの通常開催、感無量です。
福岡国際会議場は海の見えるすてきな建物です。
会場内は広々としていて、会場前のホールも余裕があり
とても快適な会場でした。

赤煉瓦歌会の皆様を始め、地元スタッフの皆様
本当にありがとうございました!
また実行委員長を始め、全国大会委員の皆様にも感謝申し上げます!
「塔」会員以外の方にも多数ご来場いただきました。
とても華やかでにぎやかな大会となりました。

1日目
1:推し歌合せ
和歌短歌、千ン百年の歴史上初めての他人の歌での歌合わせ。
推し歌への愛が炸裂しました。
2:対談 「短歌における口語と文語」
吉川宏志×栗木京子
3:ディスカッション 「口語と文語の線引き?」
川本千栄×山下翔×平出奔+梶原さい子(司会)
4:夜は懇親会←これが三年ぶりなのです。やっぱり楽しい!
塔新人賞、短歌会賞の表彰式も行われました。
受賞者のお二方おめでとうございます!

2日目
1:全体歌会 選者総登場!
(解散後)
2:アフタートーク←初の試み
若手が登壇!全体歌会の歌について意見を交わしました。
これは面白かった。

『塔』1月号誌面に全国大会の報告が載ります。
対談、ディスカッションも順次収録されますのでお楽しみに!

来年は京都で会いましょう!

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