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評論家、哲学者の鶴見俊輔さんがお亡くなりになりました。
2009年に京都で行われた「塔」の55周年記念大会でご講演いただいた
時のことを思い出しています。

鶴見さんのお住まいは永田家の近くで、昨日の朝日新聞(大阪本社版)でも、
「鶴見さんと自宅が近所の歌人で京都産業大学教授の永田和宏さん」が
追悼のコメントを寄せていました。

『歌人河野裕子が語る 私の会った人びと』にも、鶴見さんの話が出てきます。

鶴見先生はしょっちゅう町内を歩いていらっしゃるの。
よく見かけるのは、後ろ手に封筒を持って歩いておられるところ。
近くにポストがあるのですが、原稿の投函に行かれるんでしょうね。

河野さんには、鶴見さんを詠んだ歌もたくさんあります。

町内を同じうすれば時に会ふ鶴見俊輔生協に入る      『家』
大鳥居出で入る暮らしを同じうす鶴見俊輔鳥居道来る    『家』
印象はまだ消えぬなりバス停に眼鏡拭きゐし鶴見俊輔    『家』
八幡宮の氏子にあれば着ぶくれて鶴見俊輔参道に入る    『歩く』
思案気に鶴見俊輔歩みくるポケットに手を入れいたく着ぶくれて
                        『日付のある歌』
日本水仙八十一歳の人とあり眼鏡越しの鶴見俊輔      『庭』
名声は人を腐らすと文脈を飛び越え鶴見俊輔言ひき     『母系』

ご冥福をお祈りします。

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