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「風炎集って名前はどこから来てるんですか?」という質問をいただいた。毎号のように誌面に作品は載っているが、確かに名前の由来は意外と知られていないかもしれない。
これは、高安国世の次の一首から取られている。
  地下水を撒けその熱き土の上に炎の如き風を起さん
                       『虚像の鳩』
「塔」に風炎集という欄ができたのは、1964(昭和39)年10月号のこと。その記念すべき第1回に載ったのが高安の「夏・楽章」という一連で、「地下水を・・・」はその一首目の歌であった。
この号の風炎集には、他に澤辺元一、黒住嘉輝、清原日出夫の3名の作品が掲載されている。時代はちょうど東京オリンピックの開かれたころ。「炎の如き風を起さん」という昂揚した下句には、新しい表現にかける高安の意気込みとともに、時代の持つ熱気のようなものが感じられる。

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