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ひとつ前の記事の山道を少し登ると、こういうものがある。
地元では「鉄索」などと呼んでいるが、鉱石運搬用の「架空索道」。
石灰石鉱山から海沿いのセメント工場まで、その山間部をロープウェイ方式で石灰石を運んでいる。
市街地に降りてからは一部トンネルのベルトコンベア。

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かつては秩父にもあったらしい。
前田夕暮『原生林』の「奥秩父(その一)」という一連から

鉱石を運ぶ索道のバケットのはろばろと来たる雪空のもとを
菜畠にはだら雪ふりすれすれに索道の線のたるみたるかも

まさに、これ。

秩父のほうは廃止されたが、こちらのほうは、まだ現役で運用中。
年末年始は休んでいるので、私が見る時にはいつも止まっているが。

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海のほうの煙突が見えているあたりがセメント工場。

バケットの容積は0.8立方メートル。ちょうど風呂桶サイズ。

昔むかし、やんちゃな少年は支柱によじのぼってバケットに飛び乗り、つぎの尾根まで乗ってゆくというたいへん危険な遊びをしたりしたらしい。降りられなくなって鉱山まで行って叱られたとか。少し年長の人の少年時代の自慢話を聞いたことがある。長閑な話ではある。

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