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左側が1986年にアメリカで購入したペンギンブックの
日本の詩歌のアンソロジー(『The Penguin Book of
Japanese Verse』で、初版は1964年。右側のは、2009年に
刊行された改訂版で、数年前、ネットで購入しました。
万葉集から現代詩まで、とにかく盛り沢山の内容です。

改訂版は四十頁も増えていて、特に現代詩の分野で新たに
数人の詩人が加えられているのが、目につきます。選択の基準は
よくわからず。例えば旧版にも登場するTAKENAKA IKU とか。

古い角川文庫の現代詩人全集全十巻を捲ってみて、ようやく
竹中郁という名前を見つけました。この詩人の作品は四篇も
掲載されている。 一方、宮沢賢治は一篇のみ!

平安期の歌人、紀貫之は「KI TSURAYUKI」になっている!確かに
姓は紀(き)だけれど、日本人は間に「の」が入らないと「え?」
って、思っちゃうよね。改訂版でもそのままだった。
さて、短歌はどんなふうに訳されているでしょう。啄木の作品は
13首も紹介されている。きっと訳しやすいのでしょう。

  Working, Working.
  Yet no joy in life,
  Still staring emptily
  At empty hands.

この歌はもとの歌がすぐにわかりますね(わかりにくいのもある。
あんまり有名でない作品が訳されている場合も多いので)。
「楽にならざり」が「no joy」ではまずいんじゃないかな。
もっと生活に余裕のある人が、生きがいや生きる楽しみを
見つけられず嘆いている、みたいに聞こえるけど。どうなんだろう?

と、とにかく突っ込みどころ満載で、なかなか面白いのです。

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