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珈琲をおいしく感じるのは体調がよいときだ。
これはぼくがいつも珈琲豆を購入している焙煎屋さんの店主「達さん」のことば。

ぼくはこのごろ杉花粉にやられているので体調が良好だとは言い切れないけれど、たくさん珈琲を飲んでいる。それでいつもより早く豆を切らしてしまい、昨日も、達さんの焙煎小屋にうかがったのだった。銘柄というか買う豆ももうずっと変わらなくて「中深煎ブレンド」。

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ところで、ときどきこのホームページの「塔アーカイブ」で誌上に載っていた座談会やインタビューなどの特集記事をつらつらと読むことがある。その時もたぶんおもしろく読んだと思うのだけれど、読み直してみるとなんだかほんとうにおもいしろいのだ。ふしぎなことに。たとえば、以下の3つなどは読み直すたびにとてもすてきな発見がある。

■ インタビュー「池本一郎に聞く~高安国世・信州・清原日出夫」(ききて:松村正直)2011年11月号
■ 座談会「高安国世の歌を読む」(参加者:藤田千鶴、山下裕美、永田淳、吉田恭大)2013年5月号
■ 吉川宏志インタビュー「見えないものを見つめるために」 (ききて:荻原伸 記録・編集:大森静佳)2014年8月号

コーヒーの湯気消えてゆく赤壁の思わぬ高さに黒き掌の型/高安国世『虚像の鳩』1968

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  • 藤田咲 より:

    荻原さん、いつもブログを楽しく読ませてもらっています。ありがとうございます!珈琲をおいしく飲むことができますように…。
    「搭アーカイブ」や「搭」誌上の座談会などを読み、その度に感心するのは、記録係の方のお仕事のすばらしさです。
    おかげで引き込まれてどんどん読み進められます。いつもありがたいなあと感謝しています。
    上記の三つのインタビューや座談会も読んでみようと思います。教えてくださってありがとうございました。

    • おぎはらしん より:

      >藤田咲さま
      お読みいただき感謝します。内容がないようなことしか書いておりませんのに。
      アーカイブスは本当におすすめです♪3つはあくまでも恣意的な取り出しです。
      どれもたのしめます。

  • 松村正直 より:

    騒然たる雨の鋪道の音を愛すコーヒーを飲みし身は暖く/高安国世『湖に架かる橋』1981

    • おぎはらしん より:

      >松村正直さま
      はやい!「舗道の音」一連のはじめの歌ですね。
      触発されて、高安国世全歌集をざーっと(カタカナの「コーヒー」だけ)みてみたところですが、『虚像の鳩』と『湖に架かる橋』からの1首ずつしかないような気がしました(「コンクリート」などはたくさんあるのに!)。念のため『塔事典』もひらきましたが「コーヒー」の項目自体がありませんでした。なんとなくコーヒーの歌って多そうなんですけれどね。

  • 松村正直 より:

    カタカナ以外だと

    Coffeeのe一つ剥げし壁面に向いて長く待たされている
              『街上』1962

    という有名な歌がありますね。

    「現代短歌」の昨年6月号の特集「お茶にしませんか?」には、コーヒーの歌もたくさん取り上げられていました。

    やはらかに誰(た)が喫(の)みさしし珈琲ぞ紫の吐息(といき)ゆるくのぼれる
                   北原白秋
    珈琲の濃きむらさきの一椀(いちわん)を啜りてわれら静こころなし
                   吉井勇
    珈琲(コオヒー)を活力としてのむときに寂しく匙の鳴る音を聞く
                   佐藤佐太郎
    コーヒーを飲みゐるあひだひつそりと小指のなす表白たれも気づかぬ
                   中城ふみ子
    あした先(ま)づ飲む珈琲はくさぐさの思想より濃く胃の腑に沈む
                   高野公彦
    窓越しに秋のひかりをかんじつついつもの席に珈琲を飲む
                   内藤明

    こうやって挙げてみると、けっこういい歌が多いですね。

    • おぎはらしん より:

      >松村正直さま
      カタカナ以外。ありましたかー!すごい。

      ぼくも偶然ちょいと書いてみました。(『現代短歌』は目にしていなかったのですが。)
      http://arakurenihonkai.hatenablog.com/entry/2017/04/09/コーヒー

      • 松村正直 より:

        佐太郎! まさにその通りで、「現代短歌」の特集でも秋葉四郎さんが「歌人佐太郎の素顔―珈琲の歌」という文章を書いています。
        その冒頭に「歌人佐太郎に、晩年になってから珈琲の歌が多く登場するのは境涯の象徴のひとつである」とあります。全歌集には「珈琲・コーヒー」の歌が14首あり、特に晩年の『天眼』『星宿』『黄月』に多いようです。

        • おぎはらしん より:

          わーーー。やはり佐太郎には珈琲の歌、多いのですね。
          あのアララギ研究の暗黒時代に鍛えられたのでしょうか。
          佐太郎。ゆっくり丁寧に読み直したいとおもっているところです。

    • やまさき より:

      コーヒーは好きではないです ネスカフェを毎日 三杯飲んでますが
      高安さんに 引かれるのは お互いに 帰る田舎が無いから  
      高安さんの短歌は とっつきにくい のだ

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