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「あなたが日本人なら、せめてこれくらいの歌は知っておいて欲しい」(「はじめに」)という近代短歌100首を、永田さんが選んで解説や鑑賞をつけた本です。先月、岩波新書から出たばかり。
〈その子二十(はたち)櫛にながるる黒髪のおごりの春のうつくしきかな〉(与謝野晶子)、〈幾山河越えさり行かば寂しさの終(は)てなむ国ぞ今日(けふ)も旅ゆく〉(若山牧水)、〈人も 馬も 道ゆきつかれ死にゝけり。旅寝かさなるほどの かそけさ〉(釈迢空)など、教科書でもおなじみの歌がいっぱい載っています。
一般向けにわかりやすく書かれた本ですので、ふだん短歌を作っていない人にも楽しく読んでもらえると思います。もちろん、近代短歌について学びたいという人にも最適です。皆さん、どうぞお読みください。
今後『現代秀歌』執筆の予定もあるそうで、そちらも楽しみです。

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  • 野中和孝 より:

    「近代秀歌」と言えば、和歌史上では、藤原定家の同名の歌学書(冷泉家の祖でもある御子左家の秘伝書)があり、定家自筆本(個人蔵)が現存します。さて、永田先生の今回の書が歌人の忘備録としての秀歌撰になることが、歌人としてはありがたく思います。

  • 松村正直 より:

    野中様、コメントありがとうございます。「あとがき」で永田さんもその点について触れていました。〈『近代秀歌』は、藤原定家に同名の書があるが、ここはあえて使わせていただくことにした〉と書いています。

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