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柿の落葉は美しい。
これはかなり赤くなっているが、緑色がわずかに残るようなときの色あいは、さらに格別なものがある。

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柿落葉が美しいと気付かせてくれたのは齋藤茂吉の作品。

柿落葉(かきおちば)色うつくしく散りしきぬ出島人(でじまびと)等も來て愛でけむか/齋藤茂吉『つゆじも』
よの常のことといふともつゆじもに濡れて深々し柿の落葉は/同『小園』

何首かあるが、たとえば『つゆじも』の長崎時代の作品。
そしてまた昭和20年の秋、疎開先で迎えた敗戦後の日本の「よの常のこと」を見つめる日々。

永田さんにも柿落葉の歌はあるが、どちかといえば落ちてないほう。

柿紅葉の向こうに烏が我を見る尋章摘句老彫蟲(うたつくるうちにこんなにおいて)/永田和宏『日和』

李賀の詩をネタにした作品。超訳ルビで跳ぶ。

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