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社団法人総会出席のために出かけた名古屋。ついでにトヨタの
産業技術記念館を訪ねたことは先回触れましたが、他に、有松絞で
有名な旧東海道の鳴海宿近くの有松へも、足を運びました。

十返舎一九『東海道中膝栗毛』にも

 ・・・旅人を見かけて「おはいりなされ・・名物有松しぼりおめしなされ・・」
 弥次「・・ええ、やかましいやつらだ

   ほしいもの有まつ染よ人の身のあぶらしぼりし金にかへても

と、いつものようにおちゃらけている場面があります。少しだけですが
江戸の雰囲気を残す家並みが連なっていて

有松・鳴海絞会館に入ってみました。一階は店舗。二階は小さな展示場になって
いて(二階だけ有料)素晴らしい絞の作品に息を呑みました。

絞にはいろいろな技法があって、ごく一般的な鹿の子絞などの他、三浦絞
縫絞、巻き上げ絞、蜘蛛絞、柳絞、さらにそれらを組み合わせたもの・・。
ちなみに上の写真の着物は、蜘蛛絞のようです。

こちらは絞でこしらえた甲冑。

「塔」会員の池田幸子さんは、この鳴海にほど近い地にお住まいです。

  藍甕の多くありし頃手越川は藍染川と呼ばれ流れき
 「高い、たかい。まけなせい」と弥次さんが有松絞りを値切りしあたりか
              池田幸子『繭のような白き時間』

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