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與謝野鉄幹の1910年刊行の歌集から引く。総ルビなので、ルビを略す。

時計屋に掛けし時計の指す針の皆ちがへるもうつせみの世ぞ/與謝野寛『相聞』

はてさて。時計屋の時計。この当時は、まちまちの時刻にしていたのか。
よく言われるのは10時10分。といって、それでは微妙にバランスが悪いので10時8~9分ぐらいにするのだとか。大手メーカーのカタログ写真は秒針の位置まで決めているらしい。(写真は、似ているけれど、深夜の2時前)
 
この時代どうだったのか。
完全アナログ時代の、振り子時計などは、調整しておくのも大事だから、あえて動かし、あえて遅れたり進んだりするのを見ながら毎日調整して「このなかではこれが正確ですよ」みたいな売り方もあったのかもしれない。

「10時10分」というお約束が出来る前の、ただたんに動かさずにばらばらだったのか。

動かしていたのだとすると、時計屋の店内はうるさくてしょうがなくて、(その昔だと修理も兼ねていただろうから)仕事にならなかったか。
 
もうひとつの読みかたは「うつせみの世ぞ」のほうに力点があって、そこまでは序詞で、現実の時計屋のことではないということ。それもまあ、ありそうなことだがとあれこれ考えていると夜も眠れなくなる……
 
 
というほどのことはない。

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