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昨夜は東京の如水会館で、第十五回寺山修司短歌賞・第六回葛原妙子賞の授賞式があった。東京に行くのも久しぶり。

寺山修司短歌賞は真中さんの『重力』、葛原妙子賞は川野里子さんの『幻想の重量―葛原妙子の戦後短歌』が受賞。東京近辺だけでなく遠く広島や関西からも多くの「塔」の会員が駈けつけた。
真中さんの『重力』については、選考委員の方々から「立ち向かうべき現実をもつ、目下数少ない歌人」(篠弘)、「職場の歌など、屈折した感情に共感するものがあった」(小池光)、「『思ふ』の多い歌集である」(花山多佳子)、「声と短歌固有の響きが伝わってきた」(樋口覚)、「全体像をけされた事や物のぶぶんだけをクローズアップした歌」(佐佐木幸綱)といった批評があった。

  それより世界変はりしと言へりひとびとはこぞりて言へり走りつつ
  言へり
  坂のなかばに汗をぬぐひてゐしきみを渋滞のバスはみたび追ひ
  越す
  死者が歳をとることがあるか成人した妹が夢にわれを打ちたり
  子のあれば豊かなる生とひとは言へど比べることのかなはねば
  思はず
  山の宿に地図かこみゐし四人のうち社に残る最後の一人となりぬ
三次会の途中で失礼して、23:40秋葉原駅前発の夜行バスに乗る。6:30京都駅前着。熟睡した。

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