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三年ほど前の五月、高尾の林道を歩いていた折、
足元にみつけたこの白い蝶、いや、蛾。調べてみると
キアシドクガ。毒蛾とは名だけで、毒はないとのことです。

初夏の頃に大発生するらしいです。この日に見かけたのは
一匹だけで、しかももう息絶えているようでしたが。
小さな生き物が、ひっそりとしていると、わけもわからず
遠い日のことが思い出されたりして、ちょっと切ない。

 少年期のわが虐待を逃れ来し蝶かも知れずこの襤褸の蝶
             荻原裕幸『甘藍派宣言』

高尾は新緑の美しい季節を迎えているはず。
コロナ以前は、多くの観光客などで賑わっていた駅前。
早く、かつての日常が戻ってほしいですよね。

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