『日和』(松村)
永田さんの歌集『日和』を読む。2003年から2007年までの作品597首をまとめた第11歌集。これが新かな最後の歌集になるとのこと。研究室の学生や若くして亡くなった母を詠んだ歌に印象的なものが多かった。
君らにはわからないかも知れぬがと切り出せばすでに敗色は濃し
脱皮する、否、脱衣する人らいて湯煙のなかを影がゆらめく
不可思議の形の石に椀ひとつ置かれてあれば銭たまりゆく
へのへのもへじのへからしずくがたれはじめがらす窓のむこうの
夜明け
捨てられしあまた写真に若き日の父と母とは笑いおりしか
皆さん、どうぞお読みください。
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