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角川「短歌」5月号の巻頭に河野裕子さんの「日本古謡さくら」30首が載っている。娘の結婚や自分の体調について詠んだ歌を、しみじみとした思いで読んだ。
  わたしらを置いてゆくにはあらざれど待つ人の大きな傘にこの子
  入りゆく
  結婚はひと月後(のち)に迫れども連れだちて鍋や皿など買ひに
  も行けず
  われらよりだいじな人となりて欲し長い時間父母(ちちはは)として
  この子護りき
  俯きてスープ啜りつつ涙落つ固形物食へなくなりて三月(みつき)
  は経たり
  楽しんで生きてゆくのよ二、三年は、窓が開(あ)き青い空からささ
  やきくるる
最初に読んだ時には気づかなかったのだが、よく見ると、これらの歌は四句が大幅に字余りで、5・7・5・12・7になっている。その割には、なぜかすーっと読める。あるいは「57577」ではなく「575577」みたいに読むのかもしれない、などと思う。もちろん、意識して作ったリズムと言うのではなく、自然に生まれたリズムのような感じがする。

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  • 山寺修象 より:

     短歌人の山寺です。他の結社の人もコメントしていいのでしょうか。外国にいる時、暇なので、折々に思い出したように「塔」の編集部ブログなどを読んでいます。ちなみに、短歌人には、インターネット版の編集部ブログは、ありません。
     茂吉の歌にも、5、7、5、12,7など4句目の長い短歌は、多いとおもいます。
     編集部ブログを呼んでいると「塔」ではメールでの歌の提出もあるのだなあ、とか、いろいろと発見もあり楽しみです。時期はずれのコメントですみません。

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