そこそこ夜遅くなってからの帰宅。
視野のすみを、黒い影が走るのはなんだ?
見ている間に、道を渡って反対側の側溝に入った。
が、そこから顔を出してこちらを窺う。
ああ、おまえさんは鼬だな。
ネズミかとみしは大きなるイタチ葉蘭の蔭を走りすぎたり/中島栄一『青い城』
こちらが近づかないと判断したのか、側溝から飛び出してその先へゆく。
さあどうする。
駈けて止まり、まわりを窺って、ふたたび道を渡って植え込みの中に入っていった。
何匹の鼬が棲みいるこの町に幾人(いくたり)の人眠れる今宵/畑谷隆子『シュレーディンガーの猫』
いろいろ、困った悪戯もするようだが、
見た目は可愛いやつである。
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